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 大学の推薦入試をめぐる天竜林業高調査書改ざん・贈収賄事件で、2008年に贈賄罪で罰金刑が確定した中谷良作・元天竜市長(88)が16日、静岡地裁浜松簡易裁判所に再審請求した。「金は渡していない。虚偽自白に追い込まれた」として新証拠5件を提出した。

 確定判決によると、中谷元市長は孫が在籍していた天竜林業高(当時)の校長だった北川好伸さん(72)に推薦入試を有利にするために評定点を上げるよう便宜を図ってもらい、謝礼として06年と07年に計20万円を渡したとして、08年10月に浜松簡裁から罰金70万円の略式命令を受けた。

 中谷元市長は北川元校長の公判で贈賄を認めたが、元校長の再審請求審では一転して「現金を渡した事実はない」と証言。取り調べ段階で何度も否認したが、取調官とのやり取りで自白に追い込まれたと主張していた。

 提出した新証拠5件の柱となるのが取り調べのやり取りを詳細に記録した「捜査報告書」と、奈良女子大の浜田寿美男名誉教授(法心理学)の「鑑定意見書」だ。捜査報告書は、中谷元市長が取り調べに対して当初は否認し、その後何度も否認と自白を繰り返しながら、最終的に自白に追い込まれたとするやり取りが記録された「物的証拠」。中谷元市長は再審請求後の記者会見で「取り調べが厳しく、しかたなく現実と違う答弁をした」と話した。

 鑑定意見書では捜査段階の中谷元市長の供述や取調官の言動を詳細に分析。55日間に渡ってほぼ毎日取り調べが行われたことを「信じがたい異常さ」と指摘し、「贈賄自白は虚偽証言であるとの仮説は全供述過程を矛盾なく説明できるものとして妥当」と結論づけている。

 中谷元市長は会見で「汚名を消して人生を終わりたい。今回の再審請求はぜひとも成し遂げたい」と話した。申請人代理人の杉尾健太郎弁護士は贈賄事件の証拠は中谷元市長の自白だけだと指摘。新証拠として提出した捜査報告書で「(取調官が)露骨に自白へ誘導する様子が明らかになった」とし、5件の新たな証拠が「無罪を言い渡すべき新証拠」にあたるとした。(須田世紀)

■事件全体の構図に…

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