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 パリ近郊の中学校脇で16日、同校の男性教員(47)の遺体が首を切断された状態で見つかった。仏検察によると、男性は歴史・地理の教員で、今月上旬、授業で表現の自由を取り上げた際にイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を題材にした。保護者の一部が抗議していたという。マクロン大統領は同日、「表現の自由を生徒に教えていたために殺された。イスラム過激派による典型的なテロ攻撃だ」と犯行を非難した。

 仏検察の対テロ部門などによると、同日午後5時ごろ、通報を受けた警察官がパリ北西のコンフランサントノリヌで、男性の遺体を発見。近くにいた男が攻撃する構えを見せたため、警察官が射殺した。男は「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫んだという。捜査は仏検察の対テロ部門が担っている。

 容疑者の男は18歳で、現場から西に70キロほど離れた仏北西部で難民認定を受けて暮らしていた。モスクワ生まれで、イスラム教徒が多いチェチェン系だった。治安当局の監視対象ではなかった。捜査当局は男の両親や祖父ら関係者9人を拘束した。

 検察は容疑者の携帯電話を押収。容疑者が事件後、自身のツイッターに被害者の遺体の写真とともに「異教徒の指導者、マクロンよ。ムハンマドをおとしめた、おまえの犬の一匹を処刑した」と投稿していたことを確認したという。

 殺された男性教員が授業で使った風刺画は、ムハンマドが裸でしゃがみ込んだもの。一部の保護者が抗議し、ネット上で男性教員の辞職を訴えていた。

 事件の3週間前には、ムハンマドの風刺画を掲載した仏週刊紙「シャルリー・エブド」のパリの旧社屋前で、男女2人が刃物で襲撃された。仏検察によると、容疑者のパキスタン出身の男(25)は、風刺画掲載に憤慨し、同社がまだ現場にあると思い込んでいた、と供述しているという。(パリ=疋田多揚)