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 琵琶湖を自転車で一周する「ビワイチ」。約200キロを走破するのは大変だ。そこで、漁船タクシーでショートカットするツアーが人気という。滋賀県守山市が琵琶湖マリオットホテル(守山市今浜町)に委託し9月から始めた「レッツ ゴー プチ ビワイチ」。メディア向けツアーに、記者(59)が参加してみた。

 ツアーは8日。台風14号の接近で肌寒い雨の日だった。午前9時、ホテルに集合。ホテル内の自転車ショップ「ジャイアントストアびわ湖守山」でスポーツタイプを借り、雨がっぱ姿で出発した。

 日本サイクリングガイド協会公認ガイドの新野恭平さん(36)が先導。守山市出身で、中学3年からサイクリングを始めてビワイチは100回以上達成した。「レッツ ゴー プチ ビワイチ」について、「お客さんとのコミュニケーションが楽しい。漁船タクシーを使うと日本一の達成感を初心者でも楽しめます」。

 参加者は記者を含めメディア関係者4人。夫婦でサイクリストというホテル総支配人の八田徹さんも後ろについた。「お客さんと一緒に漁船タクシーに乗るのは、ほとんど私です」と笑う。

 雨のため、変則的なコースになった。まず湖岸道路を北上し、野洲川の左岸を堤防道路沿いに上流へ。その後、田んぼを突っ切る道路や住宅地を抜けて南下した。

 「鉄板の上を走ると滑るので注意して」と新野さん。普通の自転車と違ってタイヤが細くて抵抗が少ない分、走りやすい。

 車道を走行するため、すぐ横を追い抜く車の風圧にヒヤリとすることも。信号のない横断歩道を渡ろうとしても、停車してくれる車はゼロ。交通マナーは欧米に比べ、まだまだと感じた。約1時間で木浜(このはま)漁港に到着した。

 ここで定員14人の漁船タクシーに乗船。自転車の前輪をはずし、車体を車止めに固定する。時速50キロは出るという。操縦する漁協の遠藤満夫組合長(73)は「一人でも多くの人に琵琶湖の良さを知ってもらえれば」とツアーを歓迎する。

 ほおに雨粒が当たる。しばらくすると、琵琶湖大橋をくぐった。滋賀の出身だが、真下から橋脚を見上げるのは初めてだ。その後、浮御堂(うきみどう)(大津市本堅田1丁目)を沖から眺める。本来なら長命寺港(近江八幡市)まで自転車で走り、漁船タクシーで木浜漁港へ戻る予定だったが、天候不良のため木浜漁港発着のクルージングとなった。

 今シーズンは11月末までだが、船上はけっこう寒いかも。ただ、私のような初心者でも楽しく走れ、船上からの眺めも素晴らしかった。今度は、秋晴れの日に再挑戦してみたい。(菱山出)

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 漁船タクシーによるショートカットのツアーは、守山市が地方創生の社会実験として2015年11月に始めた。運航は守山漁業協同組合。利用できる港は、木浜(このはま)漁港、長命寺港、大溝港。何時にどの港で乗り、どの港で降りるかを、自分で自由に決められる。体力や時間に合わせて、気軽に楽しめるようにした。

 19年度までに計57日間運航し、利用実績は延べ111隻に564人。ツアーの管理を琵琶湖マリオットホテルに委託した今年9月からは、計2隻に5人が乗船。11月までは計7隻に34人の予約があるという。

 発案者は宮本和宏・守山市長。ツール・ド・フランスに憧れ、東大在学中に自転車部員として全国をほぼ走破した。

 「ビワイチは国土交通省の第1次ナショナルサイクルルートに認定された。国内だけでなく世界に情報発信したい」と話す。

 今回のツアーに参加した自転車専門のフリーライター浅野真則さん(46)は、国内外を走り尽くしているベテラン。「湖上から見る浮御堂には感動した。ビワイチは1泊2日が標準でしたが、おいしいところをつまみ食いして回れるようになる」と評価した。

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 今年のツアーは、11月29日までの金、土、日、祝日にある。料金は1人2千円(漁船タクシー、保険、記念品を含む)。自転車は1人1台搭載できる。申し込みは琵琶湖マリオットホテル(077・585・6100)。

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