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 新型コロナウイルスの感染が広がるなか、シンガポールで行政や経済活動のデジタル化が加速している。首相直轄の組織のもとで政府が旗を振る、その取り組みとは――。(シンガポール=西村宏治)

屋台でもQRコード

 シンガポール中心部にある屋台街「マックスウェル・フードセンター」。鉄骨の屋根の下、4畳半ほどの広さの屋台が100あまり軒を連ね、チキンや海鮮、カレーなどさまざまな料理の香りが漂う。

 その屋台の店頭に最近、QRコードが掲げられるようになった。センターの開業以来30年以上、腸詰めなどを売ってきた「チャイニーズストリート・フリッターズ」のウン・コクファさん(63)は驚く。「政府の後押しで、導入する店が一気に増えたね」

 大きな理由は、しくみが簡単になったことだ。現金商売が主流の屋台街ではクレジットカード会社などが様々な電子決済を導入しようとしてきたが、手間が増えるため、敬遠する商店主も多かった。これに対し、いま広がっているQRコードは政府が開発。20以上の決済サービスに対応し、店頭にいくつものQRコードを並べなくてすむ。支払いは客がQRコードをスキャンして送金するだけで、店側の手間はいらない。

 政府は5月、屋台街のデジタル化を始めると発表した。商店主や利用者を支援するため、約1千人を全国の屋台街に配置。月に20件以上のQRコード決済を受け付けた屋台には、月300シンガポールドル(約2万3千円)の助成金も出し始めた。「コロナ流行を受け、デジタル化は必須。チャンスでもある」(イスワラン情報通信相)。2021年6月までに、1万8千人いる屋台の店主に電子決済導入を働きかける。現金を使わず、接触が減ればコロナの感染拡大防止にも役立つと見込む。

 ウンさんは「今のところQRコードで払う人はあまりいない」としつつ、こう言った。「『収入を知られたくない』と言って導入に消極的な商店主もいるが、お客さんが望めば使うしかない。時代とともに変わるでしょう」

急速なデジタル化に批判も

 シンガポール政府は14年、交…

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