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 子どもがボールを投げる能力の低下傾向が続いていることが、スポーツ庁が実施した2019年度の体力・運動能力調査で示された。「野球離れ」が理由の一つだと専門家は指摘する。

 19年度は6~79歳の約6万3千人に実施し、結果は18日に公表された。調査が始まった1960年代と比較すると、青少年(6~19歳)の記録(平均値)のうち、11歳男子のソフトボール投げは65年度の34・40メートルが19年度は26・65メートルに。19歳男子のハンドボール投げも30・05メートルから25・38メートルに下がった。最近10年間を見ても、50メートル走などの記録が横ばいなのに対し、小学生年代のソフトボール投げは、どの年代も男女とも0・5~4メートル近く下がっている。

 一方で、身長と体重は男女どの年代も64年度を上回っており、分析を担当した内藤久士・順天堂大教授(運動生理学)は「ボールを投げる力は、筋力より経験が影響する。野球離れは原因の一つ」と分析する。調査が始まった時期はプロ野球・巨人の9連覇(65~73年)と重なり「当時は野球人気が抜きんでていたが、今はサッカーなど興味が多様化している。小学校高学年で特にその傾向は顕著」という。

 全日本軟式野球連盟によると、小学生の登録チーム数は2010年度に1万4824だったが、昨年度は約3千減って1万1146に。安全面に配慮してボールの使用を禁止する公園が増えたことなども、ボール投げの能力低下につながったと内藤教授はみている。(照屋健)