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 「Go To トラベル」が始まっても、海外旅行はまだ遠い。それでも素晴らしい景色や異国の味を楽しむ魅力を伝えたい――。新型コロナウイルス禍で仕事を失ったツアー添乗員が、海外旅行気分を味わえるイベントを東京で始めた。活躍の場を失った他業種の仲間にも協力の輪が広がり、手作りの「旅」を提供している。

 発起人は東京都小平市の原野葉子さん(45)。出会いにあふれる旅の魅力にひかれ、海外ツアーの派遣添乗員として20年以上のキャリアを持つベテランだ。中南米やアフリカを中心に、これまで100カ国以上のツアーに同行。1年のうち約200日を海外で過ごしたこともあった。

 だが、新型コロナの感染拡大により、3月ごろから国内外のツアーは次々と中止に。ツアーごとに派遣会社と雇用関係を結ぶ「登録型派遣」という働き方が多い派遣添乗員への影響は大きく、原野さんも2月のエジプトへのツアーを最後に仕事がなくなった。

 3月に予定していた南イタリアへのツアーをはじめ、5、6月分も含めて計6件が次々と中止に。「スケジュール帳が真っ白になった」

 この影響で、予定していた100万円ほどの収入を失った。派遣会社から数十万円ほどの休業補償は出たが、「それ以外の収入はゼロ。このままでは食べていけない」。6月からしばらくは、週に5日ほど飲食宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の配達員をしてしのぐ日々が続いた。

 外出すら許されない空気が社会に広がるなか、原野さんは「旅行が『不要』という認識になってしまうのでは」と不安を感じた。ちょうどそのころ、知人でライブハウス「giee(ギー)」(国分寺市)を運営する三輪久美子さん(70)から「コロナでなかなか客が戻らない。会場を使って何かできないか」と持ちかけられ、「東京で海外を体験できる場所を作ってしまおう」と思いついた。

 9月下旬に「giee」で開いた初回のイベントの「旅先」は、南米のギアナ高地や砂丘で有名なブラジルのレンソイス。原野さんがツアーでよく訪れていた場所だ。撮りためた写真をスライドで流しながら、「レンソイスでは雨期になると地下水が増水し、エメラルドグリーンの湖が出現します」などと説明した。

 現地風に味付けしたライム風味の唐揚げなどが提供され、訪れた12人の「観光客」は現地をイメージした音楽に聴き入りながら、サトウキビで造るブラジルの蒸留酒「カシャーサ」を使った酒などを味わった。

 第2弾は11月29日、スペイ…

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