笠原真
拡大するそこが気になるアメリカ大統領選
選挙にはお金がかかるもの。集会や演説のための会場費に移動費、そして広告費――。それがアメリカ大統領選挙ともなれば、その額は桁外れに大きくなるはずです。実際にどれくらいお金がかかるのか。トランプ氏とバイデン氏の両陣営が集める資金総額は、なんと……。アメリカ政治や政治資金に詳しい津田塾大学の西川賢教授に聞きました。
――ずばりうかがいますが、今回のアメリカ大統領選挙ではどれくらいお金がかかるのでしょうか。
アメリカの大統領選は多額のお金が必要となるため、どうしても総額に目が行きがちですが、まず別の注目点についてお話ししましょう。私がおもしろいと思うのは200ドル以下の小口献金です。小口の献金者というのは、あまり裕福ではない層の人が、「お昼のコーヒー代を節約してでも、あの候補者にせめて10ドルでも寄付をしてあげたい」と熱意を持って献金するようなケースが多いです。単純な金額の多寡を超えて、候補者に愛着を持ち、熱心に支持していると言えます。こういう人は絶対に投票に行きますし、支持を広げるためのボランティア活動にも積極的に参加することが多いでしょう。
拡大する米オハイオ州クリーブランドで9月29日、最初の討論会に臨んだトランプ氏(左)とバイデン氏=AP
――今回の共和党のトランプ氏と民主党のバイデン氏の場合、どれくらい小口献金者がいるのでしょうか。
トランプ氏の場合、自身で集めている総額の約53%が小口献金者からの寄付によるもので、非常に多いのが特徴です。一方で、バイデン氏は約38%にとどまっています。世論調査ではバイデン氏がリードしていると報道されていますが、小口献金の割合を見ると、支持率からだけでは見て取れない「熱狂度」はトランプ氏の方が獲得していると考えられます。トランプ氏の方が熱狂的な支持層が多く、候補者と支持者との絆が強いと考えることができる一方、バイデン氏の支持者は、そこまで熱狂的ではないのかもしれません。アメリカ大統領選の選挙資金に注目するときは、このような候補者と支持層の関係性にも注意して見てほしいと思います。
――なるほど。そんな中で、アメリカ大統領選挙にかかる費用はどのくらいになるのでしょうか。
トランプ氏とバイデン氏、両候…
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朝日新聞国際報道部