[PR]

(ドラフト会議人物館)苫小牧駒大、伊藤大海投手

 進む道は自分で決めた。駒大を1年でやめ、苫小牧駒大に転入。「3、4カ月迷ったが誰にも相談しなかった。もう一度やり直して充実した4年間を送れたらなと。18歳で右も左も分かっていなかったけど、後悔するのが一番嫌だった」

 苫小牧駒大のチーム全体での練習時間は約2時間。バイトもしながら野球に打ち込む仲間とともに、自分を磨き直した。北海道学生連盟の規定で転入生は1年間、公式戦に出場できない。「出場できるようになったときにはインパクトがあるデビューを飾りたい思いがあった」と振り返る。

 駒大1年秋にOBのアドバイスで、足を上げて軸足の右足一本で立つときに、かかとよりの重心に変えたことで球速は140キロ前後から148キロに上がった。そのフォームになって初めて意識して使えるようになった背中の筋肉などを苫小牧駒大に入ってから徹底的に鍛えた。2018年、新2年生で迎えた公式戦で150キロを計測。4年ぶりに出場した全日本大学選手権では1回戦で日本文理大から10三振を奪って完投勝利を挙げた。

 コロナ禍に見舞われた今年、野球をする少年少女のためにユーチューブで自分が持っている知識を公開した。「僕自身が『どうしたらいいですか』と先輩に聞くのが苦手なんです。だからこっちから教えてあげるのも方法かなと」

 大学転入は回り道だったのかどうか、考えて言った。「僕のように悩んで野球を離れる選手は多いと思う。そのなかで僕がプロ野球選手になったときにはこういう選択肢もあっていいんだなと示していければいい」。駒大苫小牧高時代、野球ノートに当時の部長が書いてくれた言葉を大切にしている。「誰よりもひたむきで一生懸命」。プロの世界に挑戦できれば、気迫を前面に出す投球でファンに楽しんでもらいたいと思っている。(坂名信行)

 いとう・ひろみ 1997年8月生まれ。北海道南西部の渡島(おしま)半島にある鹿部町出身で、父・清光さんは漁師。小学2年で野球を始め、中学3年まで外野手。駒大苫小牧高で投手となり、2年春に選抜出場。大学2、3年時は大学日本代表。身長176センチ、体重80キロ。