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 山菜のコシアブラに続き、東日本の各地で採られた野生キノコから国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える放射性物質が検出されている。フリマアプリを使って個人間で売買されていることから、厚生労働省はアプリの運営者らに取引制限を依頼するなど対策を急ぐ方針だ。

 基準値超えが見つかったのは、福島市のNPO法人「ふくしま30年プロジェクト」がフリマアプリを通じて、今月4~7日に購入したアミタケ、ウラベニホテイシメジ、コウタケ、サクラシメジの4種6点。同法人が検査したところ、基準値超えが分かり、その後、連絡を受けた福島市保健所の検査でも、6点で基準値を超えていた。

 東京電力福島第一原発事故の影響を受けていると見られる。このうち出荷制限のある群馬県みなかみ町から発送されたウラベニホテイシメジは同市保健所の測定で、1キロあたり510ベクレル。出荷制限のない岩手県花巻市から発送されたコウタケは同140ベクレル、制限のない同県久慈市からのサクラシメジは同110ベクレル、同じく制限のなかった茨城県常陸太田市からのアミタケは同120ベクレル、コウタケは同310ベクレル、サクラシメジは同670ベクレルだった。同県は15日、常陸太田市など4市町に出荷自粛を要請した。

 福島市保健所は基準値を超える食品の販売を禁止する食品衛生法違反の疑いがあるとして、フリマアプリの運営会社の協力を得るなどして出品者を特定。出品者が住む岩手、群馬、茨城の各県に関連する情報を伝え、今後、各県庁が自主回収や再発防止を求めることになる。

 原発事故で放射性汚染は広範囲に広がったが森林の除染はほぼ行われず、放射性物質を吸収しやすい野生キノコの基準値超えが東日本を中心に続く。野生キノコの出荷制限があるのは11県113市町村。県内では55市町村で出荷制限があり、3市町では住民に食べないよう求める摂取制限も加わる。ただ、家庭などでの消費までは規制していないため、基準値超えのキノコが個人間取引で出回る恐れがある。

 また、今春には同じNPOがフリマアプリやオークションサイトなどを通じて、山菜のコシアブラ22点を購入し、福島市保健所がうち2点の基準値超えを確認していた。

 こうした事態を受け、厚生労働省はネットを介した個人間取引の実態を把握するため「抜き打ち検査」を来年度から始める予定。しかし、今秋のキノコ狩りシーズンには間に合わないため、サイトの運営者に「出荷制限のある産品を取引しないよう、早急に依頼したい」(同省食品監視安全課)としている。(関根慎一)