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 鈴鹿工業高等専門学校(三重県)1年生の堂本泰晴さん(15)が9月、奈良県五條市の実家に帰省中、ベニトンボを五條市内で見つけた。ベニトンボは熱帯・亜熱帯が分布の中心だったが、近年は生息域が北上している。橿原市昆虫館によると、奈良県内でベニトンボが確認されたのは初めてという。

 堂本さんの趣味は昆虫採集と観察。8月初旬、五條市の隣の和歌山県橋本市に飛来したベニトンボを知人から譲り受け、標本にした。「奈良にもいるんじゃないか」と思い、実家に帰省していた9月8日、昆虫採集に向かった。

 「あ、おった!」。河原の枯れたササの先端に、ベニトンボが1匹止まっていた。網で捕り、持ち帰った。「日本の赤とんぼの赤色とはかけ離れた、見たことのない紅色だったのですぐにわかりました」

 河岸のコンクリートに生えたコケの黒色に、紅色が映えた。「コントラストが美しかったです」

 堂本さんは数日後、ベニトンボを標本にし、橿原市昆虫館に寄贈した。昆虫館によると、ベニトンボの標本は体長35ミリ、羽を広げた幅60ミリで、標準的なサイズという。

 ベニトンボの雄は紫がかった紅色の胴が特徴。南方系のトンボだが、日本で初めて見つかったのは1950年代の鹿児島・薩摩半島。生息域が年々北上しており、地球温暖化が原因と推測されるという。昆虫館の担当者は「今後県内に定着する可能性はある」と話している。

 堂本さんの作った標本は20日~12月27日、橿原市昆虫館で展示される。入館料は大人520円、高校生・大学生ら学生410円、4歳~中学生100円。問い合わせは昆虫館(0744・24・7246)。(米田千佐子)

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