対話できるエコバッグ好評 聴覚障害者向け「エココミ」
新型コロナウイルスの影響でマスクをする人が増え、買い物でのコミュニケーションに困った耳の不自由な人がアイデア商品をつくった。レジでの様々な場面のイラストをあしらい、指さしで意思疎通できるエコバッグだ。店員の口元が見えなくても、簡単に思いを伝えられるとあって注目を集めている。
考案したのは、福岡県久留米市の会社員で漫画家の平本龍之介さん(40)。聴覚に障害があり、コンビニなどで店員とのやりとりに困難を抱えていた。「毎年冬はマスクが増えて困っていたが、コロナで一年中になった」と話す。
9月に完成したエコバッグには、「ここで食べます」「ポイントカードを使います」「あたためてください」など、自身が描いた17種類のイラストが載っている。エコバッグとコミュニケーションボードを組み合わせて「エココミ」と名付けた。
これまでも企業や公共交通機関に、イラストを指さして意思疎通するコミュニケーションボードを用意してもらうよう要望してきたが、反応は芳しくなかった。そんななか、7月のレジ袋有料化でエコバッグを持つ人が増えるのを見て、苦労していた場面をイラストにして載せたエコバッグを作ることを思いついた。
これまで店員に筆談をお願いして行列ができたり、マスクをはずして欲しいと思っても感染防止のために難しかったりといった悩みがあった。実際にコンビニで使ってみると、「一発で気持ちが伝えられて感動した」と平本さんは話す。
持ち手を除いて縦36センチ、横29センチでマチ幅が19センチ。白、黒、青の3色で、白が800円、染料が多くかかる黒と青が1千円。SNSや口コミで広がり、すでに150個を超す注文があったという。問い合わせは平本さんのサイト(https://jp77995g3h.wixsite.com/hiraryu)へ。(宮野拓也)
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