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 奈良・薬師寺の僧侶、大谷徹奘(てつじょう)さん(57)が東日本大震災以来、慰霊法要を続けている。児童74人、教職員10人が津波で犠牲になった旧大川小学校(宮城県石巻市)で毎年3月11日、お経をあげてきた。コロナ禍の今年、3月にはそれがかなわず、秋のお彼岸に訪れ、法要を営んだ。

 大谷さんや信者ら約15人は、旧大川小を遺族2人に案内してもらった。遺族と面会したのは今回が初めてだ。津波がきたとみられる午後3時37分をさしたままの時計が2階の教室の壁にかかっていた。天井には、高さ8・6メートルまで襲った津波の跡が残っていた。子どもたち34人の遺体が重なるように山の斜面で見つかったと遺族が説明した。

 「その場所が一番よく見える教室はどこですか」

 大谷さんが尋ねると、遺族は2階にある5年生の教室を案内した。窓ガラスも窓枠も津波で消えたまま。その向こうに、山の斜面が見わたせた。大谷さんは、用意してきた花をロッカーに置き、白いタオルを床に敷いた。そこに座り込み、般若心経や南無阿弥陀仏を唱えた。30分以上続いた。

 「子どもたちは冷たかったろうな、悔しかったろうな、その苦しみが和らぎますように、その一心でお経を唱えました」と語り、こう続けた。「なくなった命をむだにしないため、同じ悲しみを繰り返さないため、地震の恐ろしさ、津波の怖さを次の世代に語り継いでいく。それが僧侶としての使命です」

 案内した遺族の佐藤和隆さん(53)は6年生だった三男の雄樹(ゆうき)君を失った。いま、仕事が休みの日には旧大川小を訪れる人たちに思いを伝える。「いろいろなお坊さんがお経をあげにきたが、繰り返さないために語り継ぐと言ってくれたのは初めて。自分たちの活動が間違っていないと確信でき、励みになった」と話す。

 大谷さんは市内のホテルに移っ…

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