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 最低賃金のあるべき水準を、働き手が暮らすために必要な「生計費」からはじき出す取り組みが続いています。背景には、新型コロナウイルスで打撃を受けた経営側への配慮ばかりが先行して、「労働者の生活安定」という本来の目的が置き去りになってしまうことへの危機感もあるようです。

拡大する写真・図版25歳の単身者が東京で「ふつうの生活」をするために必要な生計費を話し合う働き手たち=2019年11月、東京都内、榊原謙撮影

「ふつうの生活」を送るために最低限、必要な時給額はいくらなのか。都道府県によっても、また計算する労働組合によっても、その試算額は異なるようです。記事の終盤では、算出方法の見直しに動き出した労働組合の中央組織・連合の局長インタビューも紹介します。

 電気アイロンは、生活に不可欠といえるのか――。

 昨年11月。東京都内の一室に、20~30代の働く男女約30人が集まっていた。話し合っていたのは、一人暮らしの25歳が都内で「ふつうの生活」を送るために必要な「最低生計費」の額。議論が沸騰したのが、アイロンだった。

 「結婚式に出る時、ワイシャツがシワシワで困った」。一人がそう言うと、「ないと生活できないわけではない」との反論も出た。家賃や食費など、一定以上は削れない出費もあるが、家電は持つか持たないかで生活費が変わってくる。議論が平行線をたどると、行司役の静岡県立大の中沢秀一准教授が助け舟を出した。

 「最低生計費は、一番下の生活…

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