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 豪華寝台列車「ななつ星」の「弟分」ともいえるJR九州の新しい観光列車「36ぷらす3」が運行を始めた。ただ、ななつ星とは違い、高級ベッドやピアノの生演奏はない。36ぷらす3の旅の魅力とは。記者も試乗し、探ってみた。

 試乗したのは、九州各県を巡る全5ルートのうち、日曜日に大分―博多を結ぶルート。午前11時半に大分駅を出てすぐに進行方向右手に別府湾が広がっていた。ななつ星と同じ工業デザイナーの水戸岡鋭治さんが手がけた個室のソファに腰かけ、福岡県大川市の伝統工芸「大川組子」が装飾された車窓から望む景色は、いつもより風光明媚(ふうこうめいび)に見える。

 出発から30分。停車した杵築駅では、地元観光協会関係者らの歓迎を受けた。ホームでは酒の試飲とともに、地元の海産物の加工品の販売もあった。杵築市観光協会の内田雄大・事務局次長は「停車をきっかけに杵築を知って、今度はゆっくり観光に来てほしい」。

 旅の目玉はなんといっても昼食。ミシュランの一つ星を獲得した大分県中津市の老舗「日本料理 筑紫亭」のお重が配膳された。中津名物のハモの湯引きに、しめじごはんにはイクラ、さつま芋などが添えられ、見た目にも豪華なお重を堪能した。

 道中では、レトロな建物が立ち並ぶ門司港駅での途中下車や、車内イベントも開かれた。特急で2時間の距離をたっぷり5時間かけて走るが、もてあますような時間はない。客室乗務員の有川麻衣さん(32)は「車内で全九州の魅力を感じてほしい」と語る。

 列車には1日だけでも乗れる。各地でほかの観光列車へ「はしご」もできる。宿は乗客が手配するので、車内で寝泊まりするななつ星より、旅の「余白」が多い。夜の街に繰り出したり、レンタカーで観光地へ足を延ばしたりすれば、楽しみの幅も広がりそうだ。

 予約は専用ホームページなどでできる。大分―博多ルートは食事付きのプランで大人1万4500円、こども1万500円から。(松本真弥)