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 登山家の野口健さん(47)がネパールの小学校改築に取り組んでいる。ライフワークの富士山清掃に参加してくれた同国の青年から「貧しくて子どもたちが希望を持てない」と聞いたからだ。ただ、新型コロナウイルスの影響もあって資金調達は難航。10月からクラウドファンディングで寄付を募っている。

 2006年からネパールで小学校の寮建設などの教育支援を続ける野口さん。11年には環境大使を務める長野県小諸市から提供された中古ランドセルを贈り、その活動も続けている。

 14年9月、富士山の清掃に倉敷芸術科学大の留学生ターパ・ゴダル・ウパカルさん(28)が夜行バスで駆けつけてくれた。親しくなり、同国第2の都市、ポカラ郊外の山間部にあるウパカルさんの母校、マヘンドラ・ジャナサハヨグ小学校の実情を耳にする。

 校長は、ウパカルさんの父。貧しさから小学校に通えない児童が絶えず、校長自ら一軒一軒家庭を回って「子どもを小学校に通わせてください」と説得した。昼食を持参できない児童には自費で給食を用意した。

 野口さんは昨春、この小学校の児童約60人にランドセルを届けた。その時、目にしたのが築40年で老朽化した校舎。電灯がなく、薄暗い教室の壁は所々崩れ、机も椅子もボロボロ。多くの子どもたちを救ってきた「希望の学校」を取り戻そう――。そう心に誓った。

 ほどなく、ウパカルさんを中心に学校改築プロジェクトを立ち上げた。「学校にいるだけでワクワクする環境を作りたい」と、アイデアを形にする作業。手洗い場の設置や教室の掃除など、日本の教育システムも採り入れることにした。

 建設費は1千万円。工事は今年6月に始まり、校舎はすでに完成。現在、グラウンド整備などを残すだけとなったが、新型コロナによる経済活動ストップの影響が直撃した。肝心の資金調達のめどが急きょ立たなくなったのだ。

 野口さんが望みを託したのは、10月から始めたクラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/view/325637別ウインドウで開きます)。「多くの人の助けが必要。少しずつでいいのでぜひ支援を」と呼びかけている。11月末まで。(近藤幸夫)

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