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 日本学術会議が推薦した会員候補のうち、6人の任命を菅義偉首相が拒否したことに対し、岡山大の教員ら103人が20日、抗議声明を発表した。「不当な政治的介入で、学問の自由を根底から脅かす」と非難している。内閣府や各政党の本部などに送付する。

 声明を呼びかけた学術会議の連携会員で岡大院の稲垣賢二教授(農芸化学)らが県庁で記者会見した。

 声明では、任命拒否を「推薦に基づいて内閣総理大臣が任命する」と定める日本学術会議法に反すると批判。この規定は会議の独立性を担保するもので「首相が独自に判断する裁量権はない」と指摘した。さらに法の解釈や運用が恣意(しい)的であれば「国民は首相、政府を信じることはできない」と言及。6人の速やかな任命を求めた。

 稲垣教授は任命拒否について「共謀罪法案などへの反対以外に理由は考えられない。(現場に)萎縮が生まれると強く感じる」と訴えた。

 会見に同席した岡大の中富公一名誉教授(憲法学)は、中曽根康弘首相(当時)が1983年の国会で「政府が行うのは形式的任命にすぎない」と説明したことに言及。「解釈を変えるなら国会で議論すべきだ。首相が恣意的な解釈を持ち出すのは、立憲主義、法の支配への重大な挑戦だ」と述べた。

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 任命拒否を巡っては岡山弁護士会も猪木健二会長名の抗議声明を出した。声明では、6人はいずれも特定秘密保護法などの政府法案に反対の立場だったと指摘。「差別的に任命拒否が行われたという疑いを生じさせること自体が、研究発表の自由を萎縮させかねない」とした。さらに「学術機関への不当な政治的介入で、学問の自由に対する侵害だ」と批判した。(中村建太)

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