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 しゃもじに似た形の大きな尾ひれが目を引くアメリカマナティー2頭が、高松市の新屋島水族館にいる。おっとりした姿で来場者を癒やしている。

 アメリカマナティーはカリブ海や南米の河口、海岸に生息する。祖先は象の仲間とされ、前肢に爪が生えるのはかつて陸で生活した名残という。寿命は60~80年ほどと人間に近い。

 新屋島水族館で暮らすのは、ベルグ(オス、30歳)とニール(メス、28歳)。ともに1990年代、ドイツの動物園からやってきた。2頭は屋内の水槽で一緒に暮らす。生息地に近い環境にするため、水槽の壁一面には擬岩が広がる。

 体長はともに約2・5メートルだが、メスのニールの方が体が大きい。体重は推定300~500キロ。レタスやニンジンなどの野菜を2頭で1日計30キロほど食べる。

 ベルグは活発で、ときどき全身をくるくる回しながら泳ぐ。ニールは穏やかな性格で、基本的にじっとしている。どちらも好奇心旺盛で、観客に近寄ってくる。飼育員が水槽の上からロープをぶら下げると、前肢で引っ張って遊ぶ。

 新屋島水族館は約150種の生き物を飼育しているが、2頭の展示には特に力を入れている。水槽近くの壁や柱に10枚ほどの大小のパネルを貼り、マナティーの生態や、乱獲などで生息数が減った経緯などを説明している。備え付けのテレビでは2頭の一日に密着したビデオ映像を流す。

 約10年前、2頭の間に子どもが生まれたが、間もなく死んだ。国内には5頭ほどしかいないといい、水族館は次は子どもを無事に育てたいと意気込んでいる。

 水族館の職員は「いつ妊娠、出産してもいいように、監視カメラを設置し、赤ちゃんにミルクを飲ませる器具をそろえるなど準備を整えている」と話す。(平岡春人)

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 新屋島水族館 高松自動車道の高松中央ICから車で約30分。年中無休で午前9時から午後5時。一般1200円、小中学生700円など。電話087・841・2678。

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