【動画】琵琶湖の中はどんな世界?ダイバーが撮影(新谷千布美撮影、淡海を守る釣り人の会提供)
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 琵琶湖の中はどんな世界――? 滋賀県内で活動する釣り愛好家らの団体が、プロのダイバーに依頼して湖中を撮影した。映っていたのは、思いがけないほどのたくさんの魚たちと、ごみの数々だった。

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 今月3日、ボートからダイバー歴16年の大神弘太朗さん(35)=福岡市=が水しぶきを上げて水中に飛び込んだ。空気ボンベを背負い、首には防水ケースに入った一眼レフ。水中を照らすライトも3台手にしていた。

 大神さんはスキューバダイビングのインストラクターを経て、2014年から博多湾の魚の撮影や保護活動に取り組んでいる。今回、琵琶湖を拠点とするプロのアングラー(釣り師)や釣り愛好家でつくるボランティア団体「淡海を守る釣り人の会」の依頼で、琵琶湖にやって来た。

 釣り人の会の活動は、2家族による湖岸のごみ拾いをきっかけに15年12月に始まった。現在では年4回ほど清掃イベントを開き、茨城から兵庫まで全国から200人近くが集まる。今回は、琵琶湖の魚とごみの様子を知りたいと、寄付金を集めて大神さんに依頼した。

 「ばり(とても)魚いますね!」

 水中から顔を出した大神さんの歓声に、同会のメンバーで、ボートを操っていたバス釣りガイドの永野総一朗さん(32)=大津市=が笑顔を見せた。「よかった。最近、魚が減っていると聞いてたので安心しました」

 この日は近江大橋(大津市)の近くから、沖島(近江八幡市)の北側まで計8カ所を撮影。夜には同会のメンバーのほか、集まった県の関係者や地元議員ら約50人に映像が披露された。

 野洲川の河口付近の湖底約12メートルには、古いヨットが沈んでいた。魚礁になっており、ブラックバスの群れが集っている。船底には、はうように泳ぐヌマチチブ。ぼろぼろになったマストの裏側には、郷土料理の「えび豆」に使われるスジエビも跳びはねていた。

 参加者からは「おおーっ」と感動の声が上がった。琵琶湖の最深部や、固有種の多い場所は撮影できなかったので、「また撮影してほしい」といった要望も出た。

 ただ、ごみの映像になると会場は沈黙した。空き缶やペットボトル、肥料袋が水底の土の中に埋まっていた。釣りで使うルアーやワームも見つかった。大神さんは「琵琶湖近くで暮らす人や、釣りをする人が目をそらしてはいけない問題」と訴えた。

 県も昨年、湖底ごみを分析した。赤野井湾(守山市)で6月に回収された2231リットル(重さ322キロ)のごみのうち、7割以上がプラスチックだった。ただ、潜水による調査はしていない。野洲川河口付近のヨットも不法投棄された可能性があるが、把握していなかったという。

 釣り人の会の武田みゆき事務局長は、この映像を県などと共有し、何か新しい取り組みをできればと考えている。「琵琶湖はすぐに変えられないけど、湖岸のごみ拾いは明日にでもできる。まずは多くの人に琵琶湖の『リアル』な現状を知ってもらいたい」(新谷〈しんや〉千布美)

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