トランプ派運動員、民主党牙城で信じる「声なき多数派」
11月3日の米大統領選まで、あと2週間となった。共和党の運動員は、民主党の強い地域でも、地道な選挙運動を続けている。
10月3日早朝、首都ワシントン近郊のバージニア州アレクサンドリアの朝市。近郊で収穫された農産物を販売する市場近くに、トランプ氏支持の旗が立てられた小さなブースが設けられた。その前で地元の共和党員たちが歩行者にビラなどを配り、トランプ氏への支持を訴えた。
前夜にはトランプ氏が新型コロナウイルス感染のために入院し、ホワイトハウスでも感染者が相次いで確認されるなど、地元メディア報道はトランプ氏への批判一色だった。しかし、ブースの前で足を止める支持者は多く、「必ず投票するよ」と声をかける人もいた。ボランティアの女性は「悲しいことに、共和党はここでは少数派だから、大きな声で『大統領を支持している』とは言えない。だけど、ここに私たちがいるというプレゼンスを示せば、隠れた支持者がうれしがって話しかけてくれる」と語った。
バージニア州はもともと共和党が強かったが、2008年の大統領選以来、民主党候補が勝利している。19年11月の地方選では、州議会の上下両院で民主党が過半数を奪還した。特に、ワシントン周辺では民主党が圧倒的に強い。
10月2日午後、同州フェアファックス郡の共和党支部の建物では、トランプ氏支持のサインボードや、有権者情報が映し出されたパソコンの前でスタッフが忙しそうに働いていた。
スティーブ・ノッツ同郡共和党委員長は「みんな100%、無給のボランティアで働いている。トランプ大統領の主張を信じているからだ」と語る。
ノッツ氏も、本業はインターネットビジネスだ。しかし、ソーシャルメディアが発達したぶん、顔を合わせた会話よりも、ネット上の一方的な主張が増えたと感じている。「だからこそ、我々の行っている戸別訪問がとても大事だと思う。今、我々のローカル問題で何が大事なのか。そうしたことを有権者からきちんと聞くために私たちはここにいるんだ」
「なぜトランプ支持だ」と追い払われても戸別訪問
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