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 全国の市区町村に今年5~7月に提出された「妊娠届」が前年の同時期に比べ11・4%減ったことが、厚生労働省の調査で分かった。厚労省は、新型コロナウイルスの感染拡大で妊娠を控える動きが広がった可能性があるとみている。

 新型コロナの妊娠への影響を調べるため、厚労省が各自治体の今年1~7月の届け出数を集計した。1~4月は前年同時期の0・5%減にとどまっていたが、5月以降に下げ幅が拡大。5月は前年同月から17・1%減の6万7919件、6月は同5・4%減の6万7115件で、7月は同10・9%減の6万9448件だった。3カ月合計では20万4482件となり、前年同期比で2万6331件減った。

 妊娠届は、妊娠が分かると母子健康手帳を受け取る際に提出する。厚労省によると、9割以上の人が妊娠11週までに届け出ているという。

 出生数は2016年に戦後初めて100万人を割り込んだ。19年には90万人を下回って86万5239人となって戦後最少を更新し、「86万ショック」とまで言われた。少子化がさらに加速すれば、将来の労働力や社会保障の担い手の不足がより深刻化しかねない。

 日本総研の藤波匠・上席主任研究員は「感染症への不安から妊娠を遅らせるだけなら、一過性のもので済むかも知れない」としたうえで「より深刻なのは、少子化の背景にある若い世代の経済的不安。コロナ禍で若い世代の経済環境がさらに悪化すれば、少子化の加速にもつながる懸念がある」とする。対策として、低賃金の若年層に絞った現金給付などを挙げる。(久永隆一)

コロナ第2波 東京100days
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