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 一票の格差が最大3倍だった昨年7月の参院選は投票価値の平等を保障する憲法に反するとして、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は21日、当事者の意見を聞く弁論をそれぞれ開いた。早ければ年内に統一判断が示される見通しだ。

 争点は①投票価値が著しく不平等か②国会が不平等状態を是正する努力をしたか――で、これらを踏まえて違憲性が判断される。

 二つの弁護士グループは大法廷で、都道府県を基本単位として定数を割り振る公職選挙法によって、投票価値の著しい不平等が生じていると指摘。2016年参院選の3・08倍から定数2増で格差を縮めた国会の対応は不十分だとし、「議員だけでは解決できない。民主主義の根幹に関わるため、裁判所は積極的に違憲審査をすべきだ」などと訴えた。

 公選法の規定で被告となっている各選挙管理委員会側は、「都道府県を基本単位とすることは民意を効果的に集約できて合理的だ」と反論した。

 2グループが全国に起こした16件の訴訟のうち、14の高裁・支部が「合憲」と判断。一方、札幌と高松の2高裁は3倍の格差を「許容できない」としつつ、国会の是正努力に期待して請求は退ける「違憲状態」と認定した。最高裁大法廷はこれまで、格差が5・00倍、4・77倍だった10年と13年の参院選を「違憲状態」とし、合区が初導入されて3・08倍となった16年を「合憲」とした。(阿部峻介)