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 9月下旬に開かれた「ニュースタイル・ソロコンテスト」(愛知県吹奏楽連盟主催、朝日新聞社後援)は、吹奏楽コンクールが中止となったのを受けた代替大会で、最後の舞台となる予定だった最終学年の吹奏楽部員らが主な対象となった。どんな思いで演奏に臨んだのか、中学生、高校生それぞれの部で1位となる朝日新聞社賞を受賞した2人に思いを聞いた。

 高校生の部では、愛工大名電高校3年でフルートの能夏妃(のうなつき)さんが1位となった。

 「この大会を開催してもらった感謝の気持ちを少しでも伝えられればと思った」と大会への参加を決めた能さん。副部長の一人としては「早くみんなで演奏したい」という思いを持ちながらも、自粛中から基礎練習に取り組み、自分の技術に向き合った。

 曲は得意だった歌うような表現が多い「夏雲の唄」(福田洋介作曲)を選んだ。伊藤宏樹顧問の「自分を出した方がいい」という直前のアドバイスを出し切り、自分らしい演奏ができたという。伊藤顧問も「言われたことをコツコツと反映し、自分の世界をアピールしようとする力がダントツだった」と評価する。

 「1位になり、自分がやってきたことが評価され、自信につながった」と能さん。今後は来年1月の定期演奏会で、3学年全員が同じ気持ちでのぞめるように副部長として取り組んでいきたいという。(小原智恵)

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 美しいオーボエの音色を響かせ、中学生部門で46人の頂点に立った山本愛結(みゆ)さんは、岡崎市立竜海中の3年生。新型コロナウイルスの影響でコンクール出場の夢がかなわなかった吹奏楽部の仲間たちから「おめでとう」と祝福され、喜びをかみしめた。

 ソロコンテストでは、自ら「自信がなく苦手」と認める表現力が問われる難曲の「秘色(ひそく)の華」を選択。周囲に「まじめでコツコツ努力する生徒」(吹奏楽部の杉坂和俊顧問)と評せられる山本さんは、小学5年生の時から教わるオーボエ奏者の加藤英子さんに励まされながら、課題に向き合い続けた成果を発揮してみせた。加藤さんは「すごくうまくいった」と成長に目を細める。山本さんは「少し自信がついてきた。舞台を楽しめるようになった」とはにかんだ。

 卒業後も高校の吹奏楽部で活動しながら加藤さんに師事する。「難しいところが魅力のオーボエに今後も向き合いたい」。謙虚な姿勢を失うことなくさらなる高みを追い求める。(床並浩一)

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