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 知事選をきっかけに、大学生に政治との接点を持ってもらおうと、行動を起こした若者がいる。知事選の候補者や若手県議を招いて座談会を開き、若い世代の投票率を高めるためのアイデアも出し合った。

 「自分たちと世代の近い候補者に強制的に投票させるのはどう?」

 「それなら、若者の中から誰か選挙に出さないとってなるかもしれないね」

 「若者の投票権を剝奪(はくだつ)してみたら、取り戻そうとする動きが起きるのでは」

 「それ詳しく聞きたい」

 10月中旬、富山市内のゲストハウス「寄処(よすが)」。富山大生ら10人余りが、くつろいだ雰囲気で意見を言い合った。テーマは「若者の投票率が低い件」。傍らで耳を傾けた県議は「どうやって若い人に投票してもらうか、誰も正解を見いだせてない。だからこそ、選挙の様子を見て気づいたことがあれば提案して」と、知事選に関心を持ってほしいと呼びかけた。

 最初の政治座談会は9月に開催し、知事選に立候補を予定していた一人に質問をぶつけるなどした。2回目のこの日は、県議が政治の仕組みや県議の仕事を分かりやすく解説した。

 「政治は難しいというイメージが強かった。けど順を追って話してもらうと、意外と理解できた」と、富山大1年の豊永雄正さん(19)。もともと政治に関心はなかったが、寄処に出入りする縁で開催を知った。「政治家はすごく偉い存在で頑固と見えていたけど、同じ目線で話してもらえて印象が変わった」

 座談会を企画したのは、同世代の伊藤拓也さん(21)だ。「政治との距離を縮めてもらえた感覚はあった」。伊藤さんも政治への関心を深めたのは大学入学後。ディベート形式の授業で様々な社会問題に触れ、SDGsについて学ぶイベントなどにも足を運んだ。

 だが、参加者は社会人ばかり。「学生が政治について気軽に話せる場を作りたい」と思うようになった。自ら副管理人を務める寄処は、学生や若手社会人が出入りする格好の場だった。

 伊藤さんは「投票に行ってもらえたらベストだけど、若い人の投票率を上げる特効薬はないと思う」。若者が来やすく、気軽に政治に触れられる機会をつくり続ける中で、「少しでも関心を持ってもらえたら、より良い富山にできるのでは」。

 オンラインでも何かできないか。大学と連携してもっと多くの学生に呼びかけられないか。取り組みを一過性で終わらせないために知恵を絞る。知事選でも、3候補の事務所訪問を企画したり、投票日にみんなで投票に行くことを考えたりと、アイデアを巡らせている。(竹田和博)

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