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 世界に向けて平和活動を発信する被爆2世の「ピンク社長」こと多田多延子さん(52)=広島市=が、国際的ないじめ反対運動「ピンクシャツデー」に取り組む松本市立清水中学校で20日に講演した。ピンクが結んだ縁。多田さんは「身の回りの人を幸せにする行動で平和を手に」と生徒たちにメッセージを送った。

 鮮やかなピンク色の衣装で生徒約370人の前に登場した多田さん。「世界平和のために何をしたらいいのか」との問いに「家族を大切にしてください」と答えたマザー・テレサのことを紹介。日常にこそ平和の創造につながるものがあるとの思いに触れ、「小さなかけらが集まって大きな平和になる」と語った。

 そして「誰かをハッピーにするのに何がしたい?」と生徒たちに尋ね、ピンク色の紙にそれぞれ書いてもらった。多田さん自身、「目の前の人が幸せな気持ちになれば」とピンクで身を包んで11年になる。

 「人が笑顔になることをする」「まず自分が笑顔になる」「争いを止める」「戦争のない日本をつくる」「困っている人を助ける」「友達の誕生日を祝ってあげる」「友達をほめる」……。最後に、思い思いの言葉を記した紙を全員で掲げた。

 多田さんは、原爆が投下された広島を舞台に曽祖母や祖母、母親ら、復興などに向けて懸命に生きた女性たちを描いた漫画「キセキのヒロシマ」の原作者。英語、仏語版も出され、米国のオバマ前大統領からは感想が寄せられた。子ども世界平和サミットを計画するなど団体を設け、太陽光発電の会社経営の傍らで活動に力を注ぐ。

 今回の平和授業は、今年6月にやはり縁あってこの漫画を贈呈された須坂市の三木正夫市長が、報道で知った清水中の「ピンクシャツデー」のことを多田さんに伝えて実現した。道徳の教材でカナダ発祥のいじめ反対運動を知ったのを契機に生徒会が主導し、6月にピンク色のタオルや文房具などを持ち寄って写真を撮ったり、いじめ反対の意思を書いたシャツ型のピンクの紙を掲示したりした。(北沢祐生)

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