うつぶせ寝で女児死亡 保育施設の元経営者らに有罪判決

三沢敦
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 出水市の認可外保育施設で昨年2月、女児(当時6カ月)をうつぶせで寝かせて窒息死させたとして、業務上過失致死罪に問われた同施設の元経営者梅野健太郎被告(39)と保育士だった田多園晶子被告(34)の判決公判が21日、鹿児島地裁であった。恒光直樹裁判官は「安全意識の低さは明らか」と述べ、梅野被告に禁錮1年執行猶予3年(求刑禁錮1年)を、田多園被告に求刑通りの罰金50万円を言い渡した。

 判決によると、梅野被告は昨年2月28日、同市の認可外保育施設「さちハウス」で、職員を指導監督し、保育を委託された乳幼児の安全に責任を負う立場にありながら、睡眠中の女児の状態に気を配らずに外出。田多園被告は、寝返りができない女児をうつぶせの姿勢で敷布団に寝かせた。業務上の注意義務を怠った両被告の過失が重なり、女児は鼻口部の閉塞(へいそく)による窒息で死亡した。

 判決は、施設には当時、田多園被告しか保育士がいなかったのに、県の基準を上回る18人を預かり、梅野被告が日頃から「うつぶせにすると寝付きが良くなる」などと田多園被告に伝えていたと指摘。「いつ重大事故が起きてもおかしくない状況を作り、過失の程度は大きい」とした。

 田多園被告についても、うつぶせ寝の危険性を十分に認識しながら梅野被告の助言に安易に従っていたと指摘し、「保育士としての基本的な注意義務を欠いた」とした。

 恒光裁判官は「安全なはずの保育施設で愛娘(まなむすめ)を失った喪失感は計り知れず、父親が両被告に実刑を求めるのも理解できる」としつつ、梅野被告が弁償の準備を進めている点や、田多園被告が1人で多人数を預かることを余儀なくされていたことなどを考慮。実刑ではなく「社会で自らの責任の重さと向き合いながら遺族と対応し、罪を償わせるのが相当」とした。(三沢敦)