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 ヒグマの出没が北海道内各地で相次いでいることを受け、道は狩猟期間を延長する方向で検討を始めた。2022年から許可制の捕獲事業の期間を延ばし、その後26年からは狩猟期間も延長することが検討されている。捕獲する期間を長くすることで、近年人を恐れなくなっているヒグマに、人への警戒感を植え付ける狙いだ。

 有識者が参加する「道ヒグマ保護管理検討会」で、道が20日に方針案を示した。

 鳥獣保護法により、道内では免許を持つハンターによるヒグマの狩猟期間は10月1日から翌年1月31日までと定められている。また、狩猟期間とは別に、ヒグマ対策のための若手ハンター育成を目的とした「許可制捕獲」も3月上旬から5月上旬まで認められている。

 道はまず、この許可制捕獲の枠組みを活用。22年からは、期間を1カ月前倒して2月上旬から、道内全域でヒグマを猟銃などで捕獲できるモデル事業を行う。渡島半島などでは、現在は認められていない親子グマの捕獲も一部地域でできるようにする。

 道はこのモデル事業の効果を検証したうえで、26年2月からは狩猟期間を延長する方向だ。1月末までの狩猟期間を、鳥獣保護法が上限とする4月15日まで延長することが検討されている。

 足跡が見つけやすく、比較的安全にヒグマを捕獲できる残雪期まで狩猟期間を延ばす。人は警戒すべき対象であるということをヒグマに学習させ、市街地や人里への出没を抑制することを狙う。

 道内では1966年から、冬眠明けのクマを狙う春グマ駆除が行われていたが、個体数減少の懸念などから90年に廃止された。

 道内に現在生息するヒグマの正確な数は不明だが、捕獲数と農業被害額は増加傾向にある。道によると、18年度は918頭が捕獲され、農業被害額は2億2800万円。昨年度までの過去10年間での人身被害は28件で、うち6人が死亡した。20年度は滝上町と士別市でヒグマに襲われる事故が起きている。(斎藤徹)

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