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 欧州では五輪、サッカーワールドカップにも匹敵する大イベントで、世界最高峰の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスは9月20日、選手に新型コロナウイルスの感染者が出ることなく約3週間の全日程を終えた。その取り組みは、来夏の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの参考になるのか。大会委員長代理でコロナ対策担当のピエリブ・トゥオ氏に聞いた。

 ――3週間、選手が感染することなく終了した。

 「業界全体でものすごい達成感がある」

 ――開幕した8月末はフランス国内で感染は広がっていた。開催理由に経済的な視点も含まれたのか。

 「当然考慮した。自転車競技で最大規模の大会だ。開催しなければ今季のレースは全滅の可能性があった。最終的にはフランス政府や各地域の行政が判断した。我々や国際自転車競技連合(UCI)だけでは決められない。あらゆる状況に対応して実施した」

 ――どう国民や各地域の市民の理解を得たのか。

 「世界的な人気があり、観戦は無料だ。選手たちの姿は難しい日々に興奮や楽しみを運んだ。国民の士気を上げることができた」

 ――フランスのマクロン大統領は14日に「我々はいわゆる第2波の中にいる」と発言し、17日からはパリなど9の都市圏で夜間外出禁止が発令された。この状況でも開催できたと思うか。

 「マクロン大統領の発言を受けた今だったら、おそらく開催は難しかっただろう。ただ冬に感染者が増えることは想定していた。祝日もなく、そこまで人が集まらない8月末を選んだ」

 ――参考にした競技や大会はあったのか。

 「東京五輪やサッカーの国際大会などが相次いで延期され、参考にすべき事例はなかった。無からつくり出した。保健省や首相府にも相談し、日々の対策会議には医師や衛生管理の専門家ら幅広い人材を呼んだ」

 ――渡航制限などで問題はなかったのか。

 「幸いにも選手の多くが欧州の出身または欧州を拠点としていた。コロンビアのような遠方から来た選手は、外務省と連携し、早めに入国させて自主隔離もさせた」

 ――22チーム、176選手が参加し、スタッフも大勢いた。感染予防策は。

 「まずは外部から隔離した空間である『バブル』をつくり、①選手・スタッフ(1チーム計30人)②大会関係者や報道関係者③観客・ファンの3層に分けた。駐車場は選手のみにするなど、それぞれの層以外の人との接触は禁じた」

 「宿泊先とケータリング(飲食)に最も気を使った。ホテルに一般客は入れない。1フロアに1チームだけにし、なるべく分散させた。飲食エリアはチーム別の個室を用意。マスク常備、動線を示すサインなど細かく指示した」

 ――感染者が出た場合の失格規定も設けた。

 「当初は選手2人が陽性で失格の方針だった。開幕2日前にスタート地点の仏南部ニースが最も警戒すべき「赤ゾーン」に入り、スタッフ含めて2人陽性で失格へと変更した」

 ――沿道にたくさんの人が集ま…

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