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 「地球温暖化対策計画」と「エネルギー基本計画」という日本の環境・エネルギーの重要政策が改定に向けて動き出した。焦点は、来年11月予定の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)までに、温室効果ガス削減目標を上積みできるかどうか。「温室ガス排出を2050年に実質ゼロ」を掲げる方針の菅政権で再任された、小泉進次郎環境相と梶山弘志経済産業相のかじ取りが注目される。

小泉環境相、2030年度温室効果ガス削減目標の上積みめざす

拡大する写真・図版小泉進次郎環境相

 日本の気候変動政策の基本となる「地球温暖化対策計画」の見直し作業が9月に始まった。小泉進次郎環境相は日本の温室効果ガス排出削減目標の上積みを目指すが、経済産業省の「エネルギー基本計画」の見直しが進まないと難しいのが実情だ。

 小泉氏は、安倍政権時代から、経産省が所管するエネルギー政策に気候変動対策の視点で、より積極的にかかわる姿勢を見せてきた。7月には石炭火力輸出の支援要件を厳格化。「原発事故後、凍り付いていたエネルギー政策が石炭火力輸出の件を動かすことで解凍し始めた」と述べた。

 また「2050年までの温室効果ガスの排出実質ゼロ」を表明する自治体(ゼロカーボンシティ)を推進。地域の分散電源として再生可能エネルギーを広げる施策にも力を入れてきた。表明自治体は昨年9月時点で四つのみだったが、現在は160以上まで増えている。

 再任会見では、与党の政権合意に、憲法改正や防衛と並び、気候変動対策と環境・エネルギーに関する柱が初めて入ったことを強調。「菅総理は政権合意を実行・実践されていくと思う」と述べた。(水戸部六美)

梶山経産相、電源構成の見直し慎重

拡大する写真・図版梶山弘志経済産業相

 国のエネルギー政策の中長期的な方向性を示す「エネルギー基本計画」の改定に向けた議論が13日に始まった。焦点は、2030年度の総発電量に占める電源ごとの割合(電源構成)を見直すかだ。

 18年閣議決定の現行計画では、30年度までに、原発比率が20~22%、再生可能エネルギーが22~24%、石炭が26%などと目標を定めている。欧州主要国に比べ再生エネ比率が低いことが特徴だ。

 菅政権発足に伴い梶山経産相は、脱炭素化に向けた対策として、非効率な旧式の石炭火力の削減や、再生エネの大量導入が期待できる洋上風力を推進する姿勢を示した。ただ、電源構成の見直し自体には慎重だ。

 梶山氏は再任後の会見で「完璧なエネルギー源が我が国にはなく、30年度の目標はかなりハードルが高い。まだ道半ばなので、まずは現行のエネルギーミックスの確実な実現に向けて全力で取り組みたい」と述べた。

 一方、原発の再稼働を推進するが、現時点では新設・建て替えを想定していないと従来通りの見解を示す。「事故の教訓を踏まえながら、再稼働のための生みの苦しみにある。先のことを言っても仕方ない」。高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分にも責任を持って取り組むという。(桜井林太郎、伊藤弘毅)

■視点)「気候変動政策=主」に…

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