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 悠久のロマンとあこがれに満ちたエキゾチックな世界。シルクロードにそんなイメージを抱いてこの本を手に取ると、ちょっぴり戸惑うかもしれない。森安孝夫・大阪大名誉教授(東洋史)の新著『シルクロード世界史』(講談社選書メチエ)が描くのは、大陸を縦横無尽に駆け抜けた陰の主役たちの、挑戦的でとんがった歴史像だ。

 「中央ユーラシアを知らずして、世界史は語れない」

 シルクロード(絹の道)とは19~20世紀の地理学者、リヒトホーフェンが名付けた雅称だ。ユーラシア大陸を横断する交易路の大動脈で、絹はもちろん、あらゆる文化・技術・芸術、そして宗教が行き交った。

 洋の東西のみならず、南北を貫くいくつもの道が網の目のようにつながって流通ネットワークを形成し、その結び目に勃興した都市が交易と異文化交流の舞台となった、と本書は説く。

 人類文化始まりの地といえば長らくメソポタミア、エジプト、インダス、黄河の4大文明が君臨してきた。が、視点を前近代の「中央ユーラシア」に転じると、4大文明さえその周縁にすぎない。「文明をつなぎ、農耕都市から大帝国の出現を促したのは中央ユーラシアだった。私たちがどっぷりつかっている西欧中心史観から脱却するべきだ」。森安さんは、そう迫る。

 だから本書も、ありがちなシル…

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