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 ミャンマーの総選挙が11月8日に実施される。前回は軍の政治支配に終止符を打つ歴史的な転換点となったが、今回は新型コロナウイルスの感染拡大で、街頭活動がままならない中での選挙戦になった。圧倒的な知名度を誇るアウンサンスーチー国家顧問が率いる与党が優勢を保っているが、野党勢力からは「公正な選挙戦ができない」と批判の声が上がっている。

都市で街頭運動を規制

 「選挙はコロナとの闘い以上に、ミャンマーの将来にとって重要だ」。スーチー氏は9月下旬、与党・国民民主連盟(NLD)のオンライン会議で訴えた。野党側は再三、延期を要求したが、政権側は予定通り選挙を実施する構えだ。

 8月中旬までミャンマーの累計感染者は数百人で推移したが、移動制限などを緩めた途端に感染者が急増した。最大都市ヤンゴンや西部ラカイン州などで外出を禁止する措置を取ったが、感染拡大のペースは落ちていない。都市部などで街頭での選挙活動が規制され、NLDが数万人の支持者を集めて熱狂に包まれた5年前とは対照的な光景が広がる。

 前回の総選挙では、民主化運動の指導者だったスーチー氏が率いるNLDが大勝し、軍の政治支配が半世紀以上続いていたミャンマーの歴史を変えた。今回は5年間のNLDの実績が問われ、最大野党で国軍系の連邦団結発展党(USDP)や、少数民族政党がNLDにどこまで迫れるかが焦点だが、選挙運動が十分にできないことへの野党側の不満は強い。

 「選挙管理委員会が、選挙延期の予定はないと発表したことに本当に失望した」。USDPのキンイー副議長はフェイスブックにこう書き込んだ。選挙運動がままならなければ、圧倒的な知名度のスーチー氏が率い、国営メディアなどを通じて政策も訴えられる与党に有利に働くためだ。

 NLDからたもとを分かった民主派の人民先駆者党(PPP)や、軍人出身のシュエマン元下院議長の連邦改善党(UBP)などの新党も苦しい選挙戦を強いられている。都市部はNLDの大票田のため地方での得票が勝負どころだが、移動制限で現地入りすら難しいのが実情だ。

進まなかった2大公約

 歴史的な政権交代を果たしたN…

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