[PR]

 日本学術会議が推薦した会員候補6人が任命されなかった問題をめぐり、立憲民主党など野党共同会派は22日、学術会議の活動や組織を確認する部会を開いた。自民党が学術会議の組織のあり方を問題視していることへの反論が目的。SNSなどで拡散する学術会議に関する誤った情報を是正する狙いもある。

 部会では、内閣府の日本学術会議事務局の職員や日本学士院を所轄する文部科学省の職員が説明をした。

 自民は学術会議を非政府組織とすることも視野に議論し、年内に提言をまとめる方針を示している。

 学術会議が「答申や提言をほとんど出していない」という批判に対し、事務方は最近1年間で80件超の提言や報告を公表していることを説明した。

 「年間予算10億円は多すぎる」といった指摘も出ている。事務方は、欧米の学術会議は非政府組織が多いが、法律で設置が規定されるなど「公的性格は強い」(事務局職員)と説明。予算規模では日本学術会議は少ない方で、全米科学アカデミーは約210億円(うち8割が公費)、英国王立協会は約97億円(うち7割弱が公費)だとした。

 「学術会議会員は日本学士院の会員になることができる。年金250万円がもらえる」といった誤解も広がった。学術会議は学士院の会員候補を推薦できるが必ずしも会員になれるわけではなく、文科省の担当者は「現在の130人の学士院会員のうち、学術会議の会員は梶田隆章会長1人だけだ」と説明した。

 中国が外国人研究者を集める国家事業「千人計画」に「学術会議が積極的に協力している」といった誤情報がSNSなどで流された。一時、自民党の甘利明税制調査会長も自身のブログで発信した。学術会議事務局は「千人計画を支援するような学術交流事業は行っていません」と明確に否定した。

 部会後、内閣部会長の今井雅人衆院議員は「学術会議がたくさんの提言をしていることが確認できた。予算は諸外国に比べてむしろ少ない状況。政府が科学技術を軽視していたと言わざるを得ない」と述べ、組織のあり方には問題がないとの認識を示した。(小泉浩樹、小林豪)

日本学術会議に対する「批判」と事務局側の説明

批判:答申や提言をほとんど出していない。

説明:最近1年間で80件超の提言や報告を公表(※答申は政府が諮問しないと出せない)

批判:年間予算10億円。税金が投入されるのは日本だけ。

説明:全米科学アカデミーは約210億円(うち8割が公費)、英国王立協会は約97億円(うち7割弱が公費)

批判:会員に高額な報酬。

説明:会員が受け取るのは平均1人年約30万円の手当や旅費。日本学士院会員は年250万円の年金が支給されるが、学術会議会員204人のうち該当者は現在1人

批判:中国の国家事業「千人計画」に協力。

説明:そのような学術交流事業は行っていない

批判:学術会議の組織形態を見直すべきだ。

説明:安倍政権下の有識者会議が15年3月、「現在の制度は学術会議に期待される機能に照らしてふさわしい」と報告