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 文部科学省が発表した2019年度の「児童生徒の問題行動調査」で、県内の中学生の不登校の割合は、前年より0・23ポイント高い5・1%(全国3・94%)となり、5年連続で全国最高となった。

 文科省の全国調査では、病気や経済的な理由を除き、欠席日数が年間30日以上の人を「不登校」と定義。県内の不登校の割合は小学校が1・02%(全国0・83%)で全国で6番目の高さ。高校は3年ぶりに減少し、2・59%(全国1・58%)だったが、全国で3番目に高い。

 不登校児童生徒数も、小学校と中学校でいずれも2011年度以降9年連続で増加した。

 県教委は今年度から「不登校等児童生徒学び支援教室充実事業」で、安心できる居場所づくりと絆づくりに取り組んできた。担当者は「これまで不登校だった児童生徒が学校に復帰したり、前向きに学習に取り組んだりするなど、改善が見られている」と話す。

 暴力行為の発生件数は小中高のいずれも前年より増加し、小学校が1277件、中学校が827件、高校が123件だった。いじめの認知件数は、小学校が1万3928件、中学校が2577件、高校が291件、特別支援学校が48件で、いずれも減少した。(窪小谷菜月)

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 5年連続で中学の不登校の割合が全国最多となった県。元東北福祉大学の教授で、女川町などでスクールソーシャルワーカーを務める阿部正孝さんは「県の対策や制度は全国でトップクラス」と評価する一方で、ソフト面の課題を指摘する。

 不登校の要因としては、学習が追いつかないなどの教育的要因、思春期の体の変化や大人へなることに不安を感じるなどの心理的要因、貧困で家庭の機能が果たせていないなどの福祉的要因の三つがあるという。

 阿部さんは、福祉的要因で不登校になっている子どもに対して学習支援をするケースなど、支援する側が要因を十分に分析できていない可能性があると指摘。「ただ居場所だけを与えても、子どもは主体性を持てず、将来的な目標を見つけることができない。その子に必要な支援をするため、支援者への教育が必要なのでは」と話す。

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 県内で子どもの居場所を運営する団体の組織「多様な学びを共につくる・みやぎネットワーク」代表で、自身も気仙沼市でフリースペース「つなぎ」を運営する元教員の中村みちよさん(52)は「学校は決められたものを決められたやり方で、大勢で画一的に学ぶ。そのやり方に合わない子が増えてきている」と話す。「それなのに、行政も教師も親も『学校には行くものだ』と思い込んでいる。その呪縛が、宮城はことのほか強い」

 「つなぎ」では、何をどう学ぶかは子どもたちが自分で考える。TVゲームとの付き合い方も、とことん話し合ってルールを作る。中村さんは、それも含めて「学び」ととらえる。

 「『学校に行けない子』が増えたのではなく、『新しい学び場を求めている子』が増えたと見るべきだ。子どもたち一人ひとりが学びたいものを学べる場を増やしてほしい」(星乃勇介)

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