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 群馬県警の警察犬、ハルダ・フォン・レーベン号が、前橋市で行方不明になった女性(84)を短時間で発見し、救命に一役買った。ハルダ号は、指導役の刑事部鑑識課警察犬係の中村紀夫警部補(53)とともに8日、千代延晃平本部長から表彰された。

 9月21日午前7時40分ごろ、女性が自宅にいないことに気付いた夫(84)が前橋東署に通報。ハルダ号と中村警部補は出動の要請を受け、同8時半ごろに捜索へ加わった。

 ハルダ号は女性の枕カバーの匂いを嗅ぐと、家の周りを一周し、敷地北側のブロック塀に反応。塀沿いには鉄パイプが散乱し足の踏み場もなかったが、躊躇(ちゅうちょ)なく進んでいった。

 40センチほどの草が生い茂る草むらに出た。目の前には人に踏まれてできたような跡が続いていた。ハルダ号に足跡の匂いを嗅がせて中村警部補が後を追う。40メートルほど先。仰向けに倒れている女性の姿があった。現場に到着後、わずか10分での救出劇。女性は救急搬送されたが、命に別条はなかったという。

 ハルダ号はメスのジャーマンシェパードで、4歳3カ月。2017年4月から県警で直接飼育する「直轄警察犬」として、中村警部補とペアになった。足跡の匂いを嗅いで後を追う訓練などを重ね、昨年10月にも藤岡市で側溝に落ちていた女性(88)の発見に貢献し、表彰された。

 中村警部補は「普段は人見知りで甘えん坊だが、匂いを追う力が秀でている」と褒める。1日のほとんどを一緒に過ごすことも多いといい「家族同然です」と頰をゆるめた。「普段の成果が出てうれしい。さらに訓練を積んで能力を高めたい」

 県警鑑識課によると、今年度の警察犬の出動件数は9月末現在で235件。うち行方不明者の捜索が199件と最多で、犯罪捜査が30件、パトロールなどその他の活動が6件という。(松田果穂)