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 東京・永田町にある国立国会図書館が、ホームページ上で敷地内の禁煙をうたいながら、国会議員専用の喫煙室を設置していることがわかった。今後は廃止する方針というが、専門家は「なぜ国会議員だけ特権を認めたのか。国民の理解は得られない」と指摘する。

 同館には、国内で発行された出版物を一般の利用者が閲覧できるスペースがあるほか、国会議員が資料などを調べる議員閲覧室・研究室が6階に18室ある。うち4室では喫煙可能だったが、2018年に改正健康増進法が成立し、20年4月から館内は国会と同様に、原則禁煙となることが決まった。

 原則禁煙でも喫煙専用の部屋は設置できるため、同館は対応を協議。18年12月、一般の利用者や職員が利用する喫煙室は廃止する一方で、喫煙可能な議員閲覧室・研究室4室のうち2室については、喫煙室にすることにした。

 同館は19年10月、ホームページで「20年4月から敷地内の禁煙を実施します。利用者(職員・来客を含む)が喫煙できる場所はありません」などと公表した。

 国会に属する同館は「国会が喫煙所を残したため、同様の対応をとった。一般の人が入れるエリアではないので、特に周知はしていない」と説明している。

 同館によると、議員専用の喫煙室は450万円かけて空調の改修などを行い、19年11月から運用を開始。ただし利用者が少ないことから、運用開始約1年となる来月13日に廃止する方針という。

 黒沢一・東北大教授(産業医学)は「喫煙室が設置されている限り、清掃員や職員などへの受動喫煙は完全には防げない。多くの人が利用する図書館は本来、敷地内を完全禁煙にすべきだ」と指摘している。(黒田壮吉