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 新型コロナウイルスの影響で富士登山が中止された今年、フジドリームエアラインズ(FDA、本社・静岡市)が企画する「富士山遊覧フライト」が人気を博している。上空から富士山を眺めることができ、「非日常感が楽しめる」と話題で、チケット発売から3分で完売する便が出るなど新たな旅行スタイルとして注目されている。

 この企画は2010年に始まった。ほぼ毎回、予約開始直後に完売するほどの人気という。

 約80人が搭乗できるチャーター機で、富士山や日本アルプス、黒部ダムなどを眺望できる。時間は60分~90分ほど。同社が今月中旬に発売した瀬戸内海の夕焼けを楽しめる神戸空港就航1周年を記念した「遊覧フライト」企画は、30分で完売になるほどだ。

 遊覧フライトは昨年度、14回実施。これまで夏休みなどに催す期間限定企画だったが、コロナの影響で今年は来年3月までですでに実施済みも含め65回の遊覧フライトを計画中だ。さらに遊覧飛行のほかにオプションとして、格納庫や客室訓練施設、飛行機実機の見学などのプランが入った便もあって内容を充実させている。

 同社ではまた、コロナの影響で修学旅行に行くことが困難な県内の学校向けに、富士山遊覧フライトを利用してもらおうと教育委員会を通じて、呼びかけている。約20校から問い合わせがあり、すでに県内で2校が遊覧フライトを決めたという。

 保有機の有効活用にもなることから、今後は開催時間や航路を変えるなどし、新たな企画も考えている。20日には乗客への感謝の気持ちを伝えようと、全日空(ANA)と合同で出発便のお見送りイベントも開催した。

 同社では、新型コロナの影響で4月下旬から5月中旬まで全便で運休を余儀なくされた。現在は、政府の観光支援策「Go Toトラベル」の効果も見られ、事業計画の約8割に便数は戻ったが、まだ搭乗率は5割ほどで、一時帰休する社員がおり厳しい状況が続いている。世界の航空需要がコロナ前の水準に戻るのが2024年ごろと言われるなか、新たな戦略で苦境を乗り切る。(和田翔太)