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 7月の記録的豪雨で甚大な被害を受けた熊本県球磨村で、被災した住民の見守りや相談支援などを一体的に行う「地域支え合いセンター」が発足し、22日から活動を始めた。戸別訪問やイベントでの交流を通じて被災者の心に寄り添い、孤立を防ぐ。

 センターは、被災した住民の生活支援や地域交流促進をはかるため、各市町村から委託を受けた市町村社会福祉協議会などが設置する組織。球磨村のセンターは村の社会福祉協議会が設置し、民生委員などを経験した19人が生活支援相談員などとして業務にあたる。

 支援の対象は、応急仮設住宅や、みなし仮設住宅に住む世帯のほか、住宅が半壊以上の認定を受けた世帯を含めた計約370世帯だ。今後、被災者宅の訪問を中心に、お茶会やクリスマス会といったイベントの企画や、ボランティアも呼びかけてコミュニティーづくりをはかる。

 県によると、2016年の熊本地震の際には、県内18市町村でセンターが設置され、コミュニティーを失った被災者を支えようと取り組んできた。現在も14市町村で活動が続いている。一方、今年4月までに31人が誰にもみとられず一人で亡くなる「孤独死」だった。

 主任生活支援相談員の槻木(つきぎ)正剛さん(32)は「人との関わりが薄れたり、慣れない環境でストレスを感じたりなど、様々な悩みを抱える方々がいる」と被災者の現状を話す。球磨村は豪雨で400超の住宅が全半壊し、村外への避難を余儀なくされた人も多くいる。離ればなれになった住民の心の疲弊を緩和し、孤独死などを防ぎたいという。「心に寄り添う支援で少しでも元気になってもらい、また球磨村に住みたい気持ちになってほしい」

 活動初日の22日には、相談員らが村の仮設団地を訪れ、センターについて紹介するチラシを配布した。被災者から「頼りにしています」などの言葉があった。妻と2人で仮設団地で暮らす淋(そそぎ)剛さん(83)は「団地に来てから集落で集まることがなくなって寂しかった。これでみんながまた元気になって集まれたら」と話した。

 今回の豪雨被災地では、球磨村のほか、八代市、人吉市、芦北町、津奈木町、相良村、山江村の計7市町村で新たに設置され、11月上旬までに順次活動を開始するという。(屋代良樹)

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