石井潤一郎
拡大するフロントライン
栄華を誇ってきた自民党の最大派閥が試練のときを迎えている。
9月28日夕、東京都港区の東京プリンスホテルの前には高級車が列をつくった。人波の先にあったのは自民党細田派(清和政策研究会、細田博之会長)の政治資金パーティーだ。
拡大する細田派のパーティーで、東京五輪開催に向けてガンバロー三唱をする安倍晋三前首相(中央)ら=2020年9月28日午後6時57分、東京都港区、上田幸一撮影
菅義偉首相や各派閥の領袖(りょうしゅう)がこぞって駆けつける中、この日の話題をさらったのは久々に公の場に登場した安倍晋三前首相だった。壇上で「私も清和政策研究会出身の1人。みなさまには、まさに自民党のど真ん中で安倍政権を支えていただいた」と謝意を述べると、会場の拍手はしばらく鳴りやまなかった。
近年、同派は日本政治の中心にいた。2000年以降は森喜朗、小泉純一郎、福田康夫、安倍の各首相を輩出。「首相が身内」の威光は人を引き寄せ、今では98人が所属する。第2派閥の倍近い人数を擁する最大派閥だ。
ただ、安倍政権が幕を閉じ、風向きは変わりつつある。
9月の総裁選では同派は菅氏の支援に回ったものの、先んじて支援を表明した二階俊博幹事長率いる二階派に新政権での主導権を握られた。
前出のパーティーで、大派閥を率いた竹下登元首相の実弟である竹下亘・竹下派会長は、こう同情してみせた。
「表向きはともかく、100人の議員集団というのは実は大変。いわば不満だらけの集団をコントロールする難しさ。清和研の皆さんが大変苦労しているんだろうなと思う」
多くの所属議員を抱えるがゆえ、細田派にとって総裁選は鬼門となっている。
08年総裁選では、派閥の「派…
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