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作家・真山仁のPerspectives:視線

 “今の世の中には、民主主義という言葉がはんらんしている。民主主義ということばならば、だれもが知っている。しかし、民主主義のほんとうの意味を知っている人がどれだけあるだろうか。その点になると、はなはだ心もとないと言わなければならない”

 

視線
「ハゲタカ」などの著作で知られる作家の真山仁さんが、移り変わる「いま」を、多様なPerspectives(視線)から考えます。

 この一文は、1948(昭和23)年から53(同28)年まで、中学・高校の社会科の教科書として用いられていた『民主主義』(文部省著)を、読みやすくまとめて復刻した新書(2016年刊行)の序章にある。

 この新書を初めて読んだ時、これほど民主主義の本質と重要性を分かりやすくまとめた書はないと感心した。

 若い世代には、「民主主義は素晴らしいもので、そこに理想がある」と信じている人が少なくない。

 だが、英国の元首相ウィンストン・チャーチルが「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」と述べた通り、厄介な側面があり、国民に重い責任や義務を求める政治だ。『民主主義』では、それらのデメリットについても紙幅を割いている。

拡大する写真・図版西田亮介さん=山本和生撮影

 新書にまとめたのは、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授・西田亮介だ。

 彼は33歳の年に、同書の意義を改めて掘り起こし、分かりやすい日本語の新書に“翻訳”して世に放っている。その世代で、こんなことを考える西田に興味を持った。

 コロナ禍において、改めて政治の役割が注目されている。7年8カ月にわたる安倍政権が終わった今、西田に会って話を聞きたかった。そして、「社会に不安や不満があるのに、若者はなぜ、立ち上がらないのか」と、彼に尋ねてみたかった。

 会ってまず聞いたのは、同書に…

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