拡大する写真・図版国の緊急事態宣言後、初の週末を迎えて閑散とした東京・渋谷の繁華街=2020年4月、東京都渋谷区

[PR]

 新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活は大きく変わった。「コロナうつ」という言葉も生まれ、こころの不調を訴える人が増えている。特に若い女性への影響は、自殺者が増えるなど深刻だ。何が起きているのか。

ガールズバーが閉店し……

 川崎市内で子どもから高齢者、障害者らの相談を受け付けている民間施設では、緊急事態宣言が出された今年4月以降、20~30代の女性からの相談が増えている。働いていたガールズバーが閉店してしまった、幼い子どもと毎日の食事にも困っている、日雇いの仕事を失ったパートナーから虐待を受けている――。

 家庭訪問や食料支援などでサポートしていたものの、アパートの家賃を払えなくなり、居場所が分からなくなってしまった人もいるという。

 担当者は「直接相談できる場にもなっていた子ども食堂も一時できなくなった。子どもの学習支援を通じて家庭の相談を受け付けるなどしていたが、地域や支援者とのつながりが薄れることで、悩んでいる人が埋もれてしまう可能性がある」と危惧する。

 その心配を裏付けるように、7月以降、自殺者が増えている。厚生労働省によると、今年4~5月は前年同月を15%以上、下回っていた。だが、8月の自殺者は前年を20%以上回る1854人、9月も1828人と上回る。中でも影響が深刻なのが若い女性だ。

 8月の男性の自殺者数が前年同月に比べ10%増だったのに対し、女性は45%も増えていた。特に20歳未満の女性は前年同月の3・6倍で、30代、40代も1・5倍以上に増えていた。9月も女性の自殺者数は640人と、前年より33%増えていた。

 なぜこんなことが起きているのか。日本精神神経学会理事の水野雅文・東邦大学教授は、「日本では家庭を持つ女性が家事や育児に犠牲を払わざるを得ない家族の形態があり、負荷がかかっているのではないか」と見る。大学病院の精神科病棟にも女性の入院が増えており、自殺未遂など深刻な状態で入院してくるケースも少なくないという。

著名人の自殺の影響も

 10代、20代の女性を支援するNPO法人「BONDプロジェクト」の橘ジュンさんは、「コロナの感染拡大で先が見えない不安に加えて、保健師による相談室や、病院のカウンセリングや学校の保健室、公園などの居場所に行けなくなってしまった。電話で受け付けていても、親がそばにいて電話できなかったり、自分のことを知らない人に説明するのが難しく、電話で事前の予約を取りづらかったりする人もいる。不安は止まらなくなることがあり、死にたいと思ったときにその場所から離れて、安心できる人と話せる安全な場所があることが重要」と話す。

 10代女性の場合、家庭の問題が多いという。家族からDVを受ける例や、親があまりにも新型コロナの感染予防に神経質になり、「家から出るな」と強く言われて家出した少女もいたという。

 著名人の自殺の報道も、影響を…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら