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 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荒木三郎社長(63)は朝日新聞のインタビューで、顧客からの手数料収入について、顧客から預かる資産が増えるほど、より多く受け取れる「成果型報酬」のしくみに切り替えを進める考えを示した。顧客満足度を高めつつ、収益の安定化にもつながるとみている。

 証券業界では近年、株や投資信託の売買手数料の値下げや無料化の動きが進んでいるが、荒木氏は「販売手数料は黙っていても減っていく」とし、他社との値下げ競争には積極的に参入するつもりないとの考えを示した。むしろ「頂いた手数料を上回る成果を上げることが大事だ」とし、資産運用のパフォーマンスを上げ、預かり資産が増えるほど、多くの手数料が得られる仕組みへ切り替えていくという。

 8月に傘下の三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券を吸収合併したばかりで、今後は富裕層向けのビジネスを強化する。PB証券は、保有資産3億円以上の富裕層が主な顧客で、同じ担当者が長期にわたって資産運用や相続、事業継承などをアドバイスしてきたことが強み。顧客と長くつきあうため、担当者は商品の販売よりも長期的な資産の増加を重視しているという。PB証券のノウハウを共有するとともに、合併後600人になった富裕層担当をさらに今後2年で1600人に増やす。

 野村総合研究所によると、1億円以上の金融資産を持つ世帯は2017年に126万7千世帯となり、この10年間で4割ほど増えている。(吉田拓史)