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 1日にシステム障害を起こした東京証券取引所に、金融庁が23日、立ち入り検査に入った。売買が終日停止したことを重くみており、結果を踏まえて業務改善命令を出す考えだ。東証は「再発防止策検討協議会」の初会合をこの日開き、障害時に売買を早く再開できるようにルールの見直し作業などを始めた。

 売買が終日停止した主な原因は、機器故障時のバックアップが機能しなかったこと。5年前から設定ミスがあった。麻生太郎金融担当相は23日の会見で「バックアップが動かなかったことの実態を把握する必要がある」と指摘。金融庁はシステムの点検状況などを検査で調べるとみられる。

 今回の障害では、売買停止後の取引再開ルールが明確でないことも課題になった。東証が23日開いた協議会の初会合には、証券会社や機関投資家など15社や個人投資家が参加。金融庁や地方の証券取引所もオブザーバーとして出席した。東証の宮原幸一郎社長は「皆様方をはじめ多くの関係者の方々に多大なご迷惑をおかけしました」と改めて陳謝した。

 今後の具体的な検討テーマは、取引再開の基準や再開判断時の手続きの明確化▽発注済み注文の障害時の扱い▽東証と証券会社双方のシステム対応など。証券会社など取引参加者を交えた定期訓練や、英語やSNSによる障害時の情報発信も強化する。実務者級の会合を今後続け、来年3月にはルールを整える計画だ。さらに幅広く意見を聞くため、約90社の全取引参加者にアンケートも実施する。(吉田拓史、山下裕志)