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 自民党国防議員連盟(会長=衛藤征士郎・元防衛庁長官)は23日、新たなミサイル防衛に関する提言をとりまとめた。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策として、イージス艦増隻を軸に検討するよう求めた。月内にも政府に提出する。

 政府は陸上用の装備を洋上に置く方針で、イメージとして①商船型②護衛艦型③移動式の海洋掘削装置型を示している。これに対し提言は、米国と契約済みの装備を洋上に転用する発想では「新型ミサイルなどに対応できない装備を、多額の費用と時間をかけて開発する結果になりかねない」と懸念を表明した。

 政府が洋上案の一つとして検討するミサイル防衛専用艦についても、世界初の独自案で実用までの期間や費用などにリスクがあるとして、「長期間使用する装備品としては望ましくない」と指摘した。海洋掘削装置型も魚雷など敵の攻撃に極めて弱く、防護の負担が生じるなどとして、「採用は現実的でない」とした。

 そのうえでイージス艦の増隻を軸とし、米国と契約済みのレーダー「SPY7」だけでなく、米海軍が採用した「SPY6」も検討するよう促した。

 防衛省は洋上案について外部調査を委託中で、中間報告を受けて年末に方向性を示す方針。提言はこれに対しても、陸上イージス断念の経緯を踏まえれば「1、2カ月の調査で、技術的信頼性などについて満足な情報を得ようとすることに疑問を呈さざるを得ない」と記した。

「敵基地攻撃能力」使わず

 一方、政府が検討する敵基地攻撃能力の保有については「相手領域内でも弾道ミサイル等を阻止する能力」の保有を含めて検討し、早急に結論を出すよう求めた。原案では「敵基地攻撃能力」と表記していたが、自民党としてまとめて政府に提出済みの提言と表現をあわせた格好だ。(寺本大蔵)