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 コロナ禍でも秋の行楽シーズンがやって来た。釣りに登山、紅葉狩りとたくさんのレジャーが楽しめる。でも海も山も、危険と隣り合わせであることを忘れてはいけない。(西晃奈)

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 コロナ禍の中、「密」を避けて楽しめる釣りの人気が高まっている。広島市南区の釣具店によると、今春以降「初心者向けのセットが家族連れなどに人気で、例年に比べて売り上げが2~3割多い」という。

 そんな中、懸念されるのが海の事故だ。

 第6管区海上保安本部が管轄する広島、岡山、香川、愛媛の各県と山口県東部では今年1~9月、釣り中に海に転落した人が25人おり、うち7人が死亡した(9月は速報値)。転落者数と死者数はいずれも前年同期の約3倍に増えた。

 事故死を防ぐため、同本部が強調するのはライフジャケットの重要性だ。

 今年の死者7人のうち、6人がライフジャケット未着用だった。過去5年間を見ても、海に転落して死亡するか行方不明になった33人中29人が未着用だった。

 同本部管内の転落者でライフジャケットを着ていた人の割合は16%で、全国平均の25%を大きく下回り、全国に11ある海保の管区でワースト2位だった。「穏やかな気候でもともと釣りをする人が多い中、油断している人が多い」と救難課の秋信尚輝係員はみる。

 同本部は今月、釣り中のライフジャケット着用などを促すキャンペーンを実施。海の事故の緊急通報番号「118」や、救命策を記したリーフレットを釣り客らに配っている。

 キャンペーン初日の1日、広島市南区の県営桟橋で、海上保安官がライフジャケットを着た状態と着ていない状態で海に落ちる実演をした。未着用だとパニックになり、陸にはい上がるのも体力が要る。同課の後藤慎治課長は「着用すれば呼吸しやすく、助けも呼びやすい」と話した。

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 10、11月は登山や紅葉狩りで山に入る人も増える。

 広島県警地域課によると、今年1~9月に山岳遭難は県内で17件あり、21人が遭難した。昨年同期より3件4人多いという。大竹市の三倉岳で60代男性、廿日市市の十方山(じっぽうざん)で70代男性が亡くなり、庄原市などにまたがる比婆山(ひばやま)連峰では70代男性が7月末から行方不明のままだという。

 直近3年の遭難事故の原因は道迷いがほとんどで、滑落もある。秋が深まると日暮れも早く、分岐などを見落として獣道に入り込む危険性も高くなるという。

 県内最高峰の恐羅漢山(おそらかんざん)でも標高1346メートル、廿日市市宮島の観光名所・弥山(みせん)は標高535メートルで、県内には気軽に登れる山も多い。県警地域課の村田晋治次席は遭難する人の特徴について「単独で登り、地図やコンパスを持たない傾向がある」と指摘。坂江賢一課長補佐は「軽装でハイキング気分で登る人も多い。過信しないで」と話す。

 同課は、登山計画を立てて装備などを準備する▽登山計画書を提出する▽行き先や帰宅時間を家族や知人に伝える――などを呼びかけている。

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