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 新型コロナウイルスの影響で客足が落ち込む飲食店への国の支援策「Go To イート」事業で、25%のプレミアム付き食事券の利用が23日、埼玉県内で始まった。先行予約分が完売するなど好調な一方で、参加をためらう店もある。(進藤健一、長谷川陽子)

 JR浦和駅近くのイタリアレストラン「バール・トラットリア ディアボラ 浦和店」を営む北康信社長(48)は「いつもよりもちょっと高めの肉料理や、ワンランク上のワインをちゅうちょなく選んでもらえるのではないか。『客単価』のアップにつながれば」と期待を込める。

 店ではコロナ対策で35席の客席を6割ほどに制限し、営業時間も1時間半短縮した。「お客が減った分、客単価を上げざるを得ない」と手頃なメニューを外すなど対応に苦慮し、売り上げは前年同期の6割にとどまるという。

 この日、さっそくコンビニで発券し、仲間4人でランチを楽しんでいた、さいたま市の会社員小島千文さん(50)は「レジが混んでいなかったのに、2万円分(食事券30枚)の発券までに10分以上もかかってしまった。でも、お得なので、また購入するつもりです」と話していた。

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 23日現在、県内で約6千の飲食店が事業に登録しているが、参加しない店もある。

 県内と都内に12店舗を展開する居酒屋「力(りき)」。コロナ禍で売り上げが落ち、キャンペーンに参加したいのはやまやまだが、神宮字麗(うらら)社長(50)は「おつりも出せず、慣れていない金券を扱ってもトラブルの元」と見送った。

 さいたま市浦和区の店舗では、4人掛けのテーブルは2人で、6人掛けは3、4人で座ってもらうようお願いしている。混雑する「浦和レッズ」の試合放映時には、フェースガード(500円)を購入してもらうなどコロナ対策をとっている。

 食事券の換金に時間がかかるのも参加をためらう理由の一つのようだ。券をまとめて換金センターに郵送すると、月に2回現金が振り込まれる仕組みだが、換金までに最長1カ月以上かかる。

 神宮字社長は「客足は半減とまではいかないが、大きく減っている。今後、事業に参加するかどうかは、競合店の様子など見ながら考えていきたい」と話している。

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 キャンペーン埼玉県事務局(JTB)によると、県内ではプレミアム食事券は1セット1万円(1万2500円分)で計80万セットを販売する。プレミアム分を含め、発行額は100億円に上る。1回に2セットまで、何回でも購入が可能だ。来年3月末まで利用できる。おつりはでない。今月12日にインターネットで先行予約が始まり、16日に先行販売分は完売したというが、「何セット販売したかはお答えできない」(同事務局)という。

 購入には23日以降もネット予約が必要で、ファミリーマートに設置された発券機で手続きをする。事務局では、高齢者などネットが利用できない人に向け、電話による受け付けを検討しているというが、開始の時期は決まっていない。

 この点について大野元裕知事は「事業者への効果が今回の事業の目的。そこを充足したうえで、次のニーズについて我々としても意見していきたい」と21日に記者団に語った。

 食事券に関する詳細は公式サイト(https://saitama-goto-eat.com別ウインドウで開きます)か、購入者コールセンター(048・644・5691)。

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