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 詩人サトウハチローを記念する「おかあさんの詩(うた)全国コンクール」(岩手県北上市など主催)の実行委は23日、第24回となる今年度の入賞者を発表した。全国から応募があった2400編余の作品から、北上市立和賀西中2年、高橋聖樹(いぶき)さん(13)の「幸せな時間」が最優秀賞に選ばれた。

 高橋さんの作品は単身赴任先から週末だけ帰ってくる母への思いが込められている。「楽しくもあり寂しくもある思いを書いたものです。これからも母が帰ってくる日を楽しみに待っています」と受賞の感想を寄せた。

 優秀賞には北上市立南小1年、高橋実恋(みみこ)さん(7)の「えがおのしるし」、兵庫県西宮市立南甲子園小3年、大恵朱実さん(9)の「おなかの上の足」が選ばれた。

 「おかあさん」の詩を数多く残したサトウハチローとの縁で、1996年にサトウハチロー記念館ができた北上市。コンクールは97年から続いている。今回は全国27都道府県の2407人から2433編の応募があり、5人の詩人が選考にあたった。

     ◇

 幸せな時間

「あれれ。」

今日も始まった 夕食後の時間

母が とろっと横になる時間

そんな時 決まって 口にする言葉

「幸せな時間なの。」

 

この前は

「私はいないと思って。今から透明人間に

なるんだから。」

と宣言した母。

「いない。」と思えるはずがない。

大きな体が横たわっているのだから…。

 

母は単身赴任。

一週間に一回しか会えないのに

「幸せな時間」や「透明人間」に

時間をとられるなんて

こっちとしては、たまったもんじゃない

でも、僕は そっと見ている

母の透明人間になった 幸せな時間を

 

きっと 疲れていると思うから。

「幸せな時間」を邪魔するのは

悪いと思うから。