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 県漁業協同組合連合会(県漁連)は23日、東京電力福島第一原発事故を受けて続けている「試験操業」を見直し、来年4月以降、制約を設けない「本格操業」に段階的に移る方針で一致した。第一原発にたまる処理済み汚染水についても「放出反対」を改めて確認した。

 試験操業では、出漁回数や出荷量を絞って市場の評価を調べるほか、取れた魚介類の放射性物質検査をしている。「県地域漁業復興協議会」がこの日、いわき市であり、漁業者や有識者らが話し合った。

 東電の担当者が、原発20キロ圏内で取れた魚介類の放射性セシウム濃度の測定結果を報告。第一原発構内の港では、採取したヒラメから7月と9月の計2回、国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を超えたものが確認されたとし、有識者から「引き続き監視が必要」との指摘が出された。

 一方、操業自粛が続く10キロ圏内の沖合では、6~8月の測定で、高いものでも基準値を大幅に下回る9・3ベクレルだった。こうした結果を踏まえ、県漁連は本格操業に移る方針を確認した。各組合ごとに設けている出漁日の制約や放射性物質の検査体制を見直し、段階的に進めていく。

 処理済み汚染水を国が海に放出して処分する方向で最終調整していることに対して、県漁連の野崎哲会長は「動じることなく、漁業を続けることが一番の抗議活動になる」と強調。出席者からは「原発問題を無視して本格操業は進められない」などの声が出た。

 国は同日、関係省庁でつくる会合で「さらに検討が必要」とする考えを示した。野崎会長は会議後、取材に「この問題が本格操業に影響がないようにしたい。放出反対という姿勢は変わりない」と述べた。(古庄暢)

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