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 人海戦術に頼ってきた空き家の実態調査について、東京都は、人工衛星やドローンで撮影した画像を活用する実証実験を始める。上空からの画像から温度を捉える技術を組み合わせて、空き家と認定するパターンを人工知能(AI)に学習させる民間の取り組みを財政支援する。実用化を目指し、調査にかかる人手やコストの削減につなげる試みだ。

 空き家を放置すると、衛生や防犯、防火に支障が生じる可能性があるほか、災害時に損壊して周囲に危険を及ぼす恐れがある。2015年施行の空き家対策特別措置法では、区市町村は地域の空き家の実態把握を進め、持ち主に管理を促すなどの役割が明確化され、都道府県はその活動を財政、技術面で支援すると定められている。

 ただ、実際に空き家を把握するには、調査員が「ローラー作戦」で家を1軒ずつ目視したり、近所の人に現状を尋ねたりする調べ方が一般的で、費用や時間がかかる。東京では、区市町村から都に対し、「実態把握にはコストがかかりすぎる」「苦労して調査しても翌年には状況が変化し、調査も更新作業も大変」といった不満が相次いで寄せられていた。

 そこで、都は今年度、空き家を効率的に把握するための民間事業者の提案を募り、採用した取り組みには3500万円を上限に経費の3分の2を補助することにした。7社から応募があり、採用されたのが、「空き家活用株式会社」(東京)の提案だった。

 同社は首都圏、関西圏、中京圏を中心に調査員が歩き、人海戦術により全国14万件の空き家情報をデータベース化して、不動産業者などに提供し、空き家の流通を促す事業を展開している。今回、衛星画像を使って雑草の生育状況など植物の高さを判定して耕作放棄地の把握に取り組むベンチャー企業「Sagri(サグリ)」(兵庫県丹波市)と連携して、空き家活用社が蓄積した空き家データと、サグリの画像解析技術を重ね合わせて、空き家を探す。

 駅や空港にあるサーモグラフィーのように、衛星やドローンから撮影した赤外線画像により一定期間の人の出入りを把握。その上で、空き家活用社が保有する空き家データと画像を突き合わして「答え合わせ」をする。画像の熱の出現の傾向から、「空き家状態」「入院など一時的な不在」といったパターンをAIに学習させる実験を重ね、空き家とみられる場所を抽出できる仕組みの確立を来春までに目指す。

 空き家活用社によると、上空の画像から空き家を判定できるノウハウが確立されれば、空き家を1軒ずつ目視する調査は原則不要となり、財政的にも人的にも大幅な負担軽減が期待できるという。同社は都と協議し、実証実験の対象とするエリアを決め、早ければ12月にも、赤外線カメラを搭載したドローンを各自治体で飛ばして撮影を始める。ドローンによる撮影は人工衛星画像よりも熱感知の精度が高いとされ、木造家屋が密集する墨田区、空き家が多い世田谷区、多摩地域の中心地・立川市、過疎化が進む奥多摩町で実証実験を進める予定だ。

 総務省の住宅・土地統計調査に…

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