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 来年のドラフト候補右腕にとって、試練の一戦となった。24日に始まった高校野球の秋季四国大会1回戦で、151キロ右腕の森木大智(2年)を擁する高知(高知2位)は高松商(香川3位)に2―5で敗れ、来春の選抜大会出場は厳しくなった。

 森木のシナリオは一回から崩れた。相手の直球狙いの裏をかいて変化球主体で組み立てるつもりが、ストライクゾーンになかなか決まらない。

 四球と安打などで1死一、三塁とされると、相手の4番に粘られ、苦し紛れに投げた直球を中前にはじき返されて失点した。

 力任せに投げても球がシュート回転し、思うように制球できない。心理的にも追い詰められ、「置きにいく選択肢しかなかった」。

 選抜大会27回出場の古豪相手に小手先の技術は通用せず、二回にも暴投が絡むなど2失点。浜口佳久監督は「森木が投げて、しっかり守ってというチーム。二回の失点は痛かった」と悔やんだ。

 高知中3年夏に150キロを投げて注目を浴びた。「地元で甲子園に行きたい」と県外の強豪校などの誘いを断って進学。1年生からエースとして活躍し、昨夏は高知大会決勝で敗れた。今年はコロナ禍で春、夏の甲子園大会が中止。新チームで自分たちの代になり、「チームを甲子園に連れて行きたい」とより一層願うようになったが、この日は空回りした。

 「味方打線が相手投手にあまり合っていないなって気づいて、自分が失点したら負けてしまうと弱気になった」と森木。最後まで投げきったものの、三者凡退はわずか1度。うなるような直球はなかった。終盤にも痛打された。

 選抜出場は絶望的となり、残されたチャンスは来夏の全国選手権大会のみ。「どんな時でも崩れない制球、変化球の精度、そして自分の弱さに負けないようにしたい」。右腕は目を真っ赤にして、成長と雪辱を誓った。(大坂尚子)