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 災害が起きたとき、周囲への配慮などからペットとの同行避難に不安を抱える飼い主は少なくない。ペットを救うことは飼い主を救うこと。そんな思いから、埼玉県草加市の会社が猫用の避難ケージを開発し、販売している。

 手がけるのは「猫のとびら合同会社」で、代表の山下初子さん(59)と妹の元山信子さん(54)が2019年3月に創立した。2人は会社員や主婦のかたわら、ボランティアで捨て猫の保護活動を続けてきた。

 「避難所に行けば何とかなるだろうと思ったら、受け入れを拒否されて途方に暮れたという飼い主が結構います」と元山さんは話す。東日本大震災や豪雨災害などの際、避難所での受け入れ拒否だけでなく、ペットの犬や猫が家に置いてきぼりにされたことも知り、心を痛めてきた。

 東日本大震災を機に、環境省は13年、「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を作成。ペットとともに避難する「同行避難」を基本とし、飼い主にはペットをケージに入れるなどの準備を促した。

 周囲に配慮したケージはないものか。スチール製やステンレス製は重く、声もにおいも外に漏れやすい。布製は軽いが、汚れやすく台風の時のような強風に弱い。2年の試行錯誤の末に採用したのがプラスチック段ボール。重さ約3キロ。折りたたみ式で、女性でも持ち運びにそれほど苦労しない。「いっしょに!!避にゃん」と名付けた。

 「慣れない環境に置かれると猫はケージから逃げてしまう」と山下さん。猫が外から見えないようにしながらも光は採り入れられる窓をつけるなど、ストレスを減らす様々な工夫も施されている。昨年12月に1万9800円で売り出した。

 山下さんは、平常時からケージに慣らす練習や、自分が暮らす自治体のペットとの同行避難の受け入れ態勢を調べておくことを勧める。「周囲の目を気にしてか、ペットと一緒に避難せずに家に残る飼い主もいます。ペットの命を守ることは飼い主の命も守ることにつながります」

 「猫のとびら」のホームページ(https://nekotobi.com/別ウインドウで開きます)では東京23区の同行避難の受け入れ態勢を紹介しており、県内の自治体の状況もアップする予定だ。(佐藤太郎)