[PR]

 宮崎県延岡市の旭化成マイクロシステム延岡事業所(同市中川原町5丁目)の火災は24日午後0時25分に鎮火した。20日夕の発生から足かけ5日の大火事。旭化成延岡支社は24日、記者会見を開き、濱井研史支社長らが関連会社での火災発生を陳謝した。今のところ出火原因は不明という。

 支社によると、20日午後4時39分、5階建て工場4階の西側付近で従業員が煙を見つけ、出火を確認。初期消火に駆け付けたが、すでに火柱が上がっており、「消火は無理」との判断から避難指示を出したという。出火場所は「4階クリーンルーム(防塵〈ぼうじん〉室)のどこか」と推定。外観では4→3→5階と燃え移ったように見えたとしている。

 工場内にスプリンクラーはないが、法定の消火器と消火栓は備えている。消火訓練も年2回続けるが、従業員は「初期消火に向かうより火の回りが早かった」と話しているという。出火当時は424人が勤務。濱井支社長らは「従業員の身の安全を優先した。消火活動より避難を優先したということだ」と話した。1993年の稼働以来初の火災。想定外の事態を受け、支社長らは防火態勢を見直す必要があると認めた。

 現場は半導体集積回路(LSI)の製造工場。製造工程で一般に使われる化学物質モノシランは爆発性だが、保有量は少なく、容器に密閉して、出火棟とは防火壁で隔てられた棟で保管しているため、危険性はないと判断したという。

 工場周辺に広がった異臭は、電気ケーブル被覆など塩化ビニールの燃焼で発生する塩化水素が原因と推定。住民から苦情が相次いだため敷地境界など5地点で空気中の塩化水素濃度を定点観測したところ、人体に影響がないとされる2・0ppm以下で、最大でも0・8ppmだったという。

 濱井支社長は「まずは火災の実態把握、原因究明と対策を整え、説明責任を果たしたい」と話し、住民説明会の開催も視野に入れていることを明かした。(吉田耕一)

関連ニュース